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 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となった。主要な経済指標の発表も無くドル買いを誘発する特段の材料はなかったが、米国債利回りの上昇がドルをサポートした模様。

 ただ、市場全体では米株が大きく売られ、国債も売られて利回りが上昇、そして、為替市場ではドルが買われている。米国から見れば外債である、英国債やドイツ債など欧州債も売られており利回りが上昇している。このところは、あまり見られない光景ではあるが、米投資家のキャッシュ志向の強まりを示す動きとも取れる。

 前日はブレイナードFRB理事をはじめ、FOMCボードメンバーが講演を行い、利上げに慎重姿勢を強調していた。市場は9月の利上げ期待を完全に後退させ、焦点は年内利上げがあるかどうかにシフトしている。FRBは慎重姿勢を強調し景気に配慮しているが、裏を返せば先行きに不安感があることでもあり、米投資家も慎重になっているのかもしれない。

 ドル円は一時102.75付近まで買い戻されている。東京時間には101.40付近まで下落していたが、そこから100ポイント超戻した格好。また、後半には日銀が異次元緩和の総括的な検証で、今後の金融緩和の軸にマイナス金利政策の深掘りを据える方針との報道も伝えられ、ドル円の上昇をフォローしていた。

 ユーロドルは1.12台前半に伸び悩んでいる。序盤は買いが優勢となり、1.1260付近と前日の高値付近まで上昇したが、午後になって失速している。

 ただ、ドル高の割にはユーロは底堅く推移している印象もあり、ユーロドルは1.12台前半にきている100日線はしっかりと維持した。次のアクション待ちの雰囲気を強めている。

 きょうはポンドが軟調で、ポンドドルは1.31台に下落し、ポンド円は134円台半ばまで一時下落した。ただ、終盤には135円台に戻している。

 ロンドン時間に発表になっていた8月の英消費者物価をはじめとしたインフレ統計が予想よりも弱い内容だったことがポンド売りのきっかけとなった模様。インフレ統計をきっかけにマクロ系ファンドからの売りなどが断続的に入ったようだ。

 直近発表の英経済指標が良好で、見通しを上方修正する動きも出ている。ポンドもきょうのインフレ統計に向けてショートカバーが強まっていたが、若干ではあるが、予想より弱かったことで巻き返しが出たのかもしれない。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美

[紹介元] 為替市場レビュー | Klug クルーク 【NY市場】市場全体が不安定な中、為替市場はドル買い優勢に