金融庁に警告を受けている海外FX業者は詐欺業者なのか?

海外FX業者といいますと、とかく得体の知れない危ない存在として認識されがちです。

国内の金融庁はライセンスのない危険業者として一覧表化してホームページに公表していますが、国内に法人が設立されていない業者がすべて危ないのかといえば、これは大きな間違いになります。

なにより国内で金融庁が認可すれば、なんでも安全なのかと言えば全くそうでもないことが「仮想通貨クラスタ」で連発していることを考えますと、どうもこうした考え方も正しくないのではないかと思える次第です。

今回は「金融庁に警告を受けている海外FX業者が本当に危ないのか」について考えてみたいと思います。

 

金融庁が海外FX業者を目の敵にするには訳がある

金融庁がとにもかくにも海外FX業者を敵視している最大の理由は「利益をトラッキングできない」ことに起因していると思われます。

国内の店頭FX業者は年間の大きな利益をあげた顧客リストはすべて税務当局に開示していますから、FXで儲けて税金を払わないというのはもはや100パーセント無理な状況になっています。

しかし海外FXの場合にはクレジットカードで決済すると海外送金をしないで海外業者に入金ができますし、出金も一部の無記名のデビッドカードなどを使えば全く国内でトラッキングできない状態が示現してしまいます。

つまり、所得税の取り立てに非常に苦慮していることが、こうした厳しい入口管理につながっていると言えるのです。

もともと金融庁は大蔵省から分家した省庁ですし、国税庁とも連動性が高くなっていることから、できる限り海外で個人投資家が資金を運用することを可視化できるように企てていることは間違いない状況です。

しかし、法律的に海外FX業者を全面禁止できない状況では、国内で「無登録の危ない業者」と告知することが最高の抑止力になると見ているのでしょう。

 

海外業者もすべてが無登録業者ではない

海外FX業者といえども、本拠地にしている国の金融当局からなんらかの認証なり登録なりを受けて事業を行っているのがほとんどで、何も登録のない業者というのはさすがに一回だけの詐欺行為ならまだしも、長くは続かないので最近ではほとんど存在しなくなっています。

しかし「セーシェル」「バヌアツ」「ベリーズ」といった世界地図でみてもどこに存在するのか一瞥できないような国の金融当局が、しっかりしているわけもありませんから心配になるのも無理はありません。

こうした業者は「ホールディングカンパニー」を保有していて、いくつかの国を本拠地とした異なる口座を保有しているところが多くなります。

たとえば日本人に人気の高い「XM」では、キプロスに口座がありますが、それとは全く別に「セーシェルにも口座開設」ができるようになっており、EU圏の金融当局の規制を受けないように日本人投資家は積極的にセーシェルのほうの口座開設をプロモートするようになっているのです。

こうしたケースではFX事業会社としての基本機能は一緒になりますから、周囲が気にするほど危ない存在ではないのです。

とくにFX取引のビジネスは典型的なネットビジネスですから、事業法人はできるだけ税負担の低い国に本拠地を置きたいと思うのは当然の流れであり、タックスヘブンの国に本拠地を置くのもそれほど不思議な状況ではないのです。

 

危ないのは原則スプレッド固定を謳う呑み業者

海外FX業者は国内の店頭FX業者よりもかなり規模が小さいですから、殆どの売買は「NDD方式」で一部顧客間の売買相殺を行うものの、それ以外はすべてをカバー先に出すことで、それにマージンを載せるというかなりオートマチックなビジネスを展開しています。

日本の法人のようにディーリングデスクを置いて顧客と反対売買をしてみたり、一部をカバー先に出してみたり、呑みでなにもしなかったりを組み合わせるような複雑なオペレーションは行っていないのが通常の姿です。

ところが海外業者にも「原則スプレッド固定」を謳うところが存在します。

そもそもスプレッドの固定というのは人工的に作り出した相場環境で、FXの世界にはどこにも存在しないものですから、DD方式でビジネスを弄りまわす国内業者ならではの取引スペックといえます。

それを真似た海外業者はさすがにおかしい存在であり、オペレーションを丸ごと呑みにしているだけということも疑われますので、こうした業者だけはさすがに十分注意することが必要です。

そもそもカバー先のインターバンクなどを明示してNDD方式の売買をしている業者は、かなりまともなビジネスをしていると評価できますので、このあたりの取引形態をしっかりチェックしてみるのも大きなポイントとなります。

 

国内仮想通貨業者への対応でわかった金融庁安心論の後退

国内では銀行、証券、保険といった業界はすべて金融庁による免許事業になっています。

業務を開始するためには、かなり厳しい条件下で金融庁が精査して免許が与えられる仕組みになっているのです。

過去には海外のネット銀行が日本で事業を開始しようとして、日本人の役員がいないことから免許が下りなかったという厳しい事態も起きていますが、そのぐらい厳密なものだというイメージが定着している状況です。

ただし、ここ数年の「仮想通貨取引所」に対する対応は免許制ではなく、登録制という緩い条件で市場を拡大することを目的としたものの、蓋を開いてみますとどの業者もろくな要件を満たしていないことが発覚しております。

とくにセキュリティが「ガタガタ」の状態でコインチェックのような盗難事件も起こしており、足元でも業務改善命令がでてまともに取引できないところが続発しています。

こうした状況を見ますと国内の金融庁により免許が与えられた業者なら絶対安心とは言えませんし、海外の業者が国内登録がないからといって皆詐欺業者の類で危険と認識するのはかなり大きな間違いではないかと思う次第です。