ここ数週間市場が注目していた26日のジャクソンホールでのイエレン議長講演。議長は「この数ヵ月で追加利上げへの説得力が増した」と早期利上げへの前向き姿勢を示しながら、9月の利上げには具体的言及をしないという慎重な姿勢を示しました。しかし、フィッシャー副議長が「8月雇用統計はFOMCの決定に影響。イエレン議長の発言は9月利上げの可能性と整合」と発言したことで、9月の利上げ期待が一気に広がり、ドル買いが強まった格好です。 金利面での織り込み度合いから図るCMEFedWatchにおいて9月の利上げ期待を見てみると、ブレグジット後にいったんゼロ近くへ落ち込み(というか利下げ期待が出ていました)。その後少し回復した後、8月に入って、ダドリーNY連銀総裁をはじめとしたFRBの重鎮から9月の利上げの期待について言及があったことで、少し期待感が広がっていましたが、少数派という印象が強いものとなりました。 しかし今回のジャクソンホールでの発言を受けて一時33%まで期待が拡大。これにより、ドル高が一気に進む展開となりました。しかし週明けには20%程度まで落ち着く格好に。 フィッシャー副議長が利上げはあくまで2日及びこれ以降の雇用統計次第という認識を示しているように、早期の利上げが確定となったわけではないという思惑があるようです。 といっても為替市場ではドル買いが進んでいます。 9月が見送られたとしても二回後の12月には利上げとの見通しが半数を超えており、一部では年内二回の利上げを実施する可能性も消えていない以上、ドル買いが入りやすい展開になっているようです。(ちなみに11月のFOMCは大統領選前々日ということもあり、やりにくいのではという見方が強いです) こうした金融政策見通しの変化(ブレグジット後の影響を受けて、最近まで年内利上げ見送り見通しが大勢であった)は中期的に大きな資金の流れにつながり、トレンドを作っていきます。 短期的にも100円割れで売りが鈍った8月の動きが意識されるところで買い戻しが出やすい展開に。 もちろん2日の雇用統計次第の面は強いですが、基本的には105円に向けてドル買いが強まる展開が予想されます。 ただ、雇用統計、特に非農業部門雇用者数が直近二回の反動で弱めに出た場合は、一気に状況が変化する可能性がある点には要注意です。
しかし、フィッシャー副議長が「8月雇用統計はFOMCの決定に影響

[紹介元] ダックビル為替研究所 | Klug クルーク <ドル円はどこまで行くのか>流れが変わった相場を展望する