海外FX業者を利用し資金を入金する場合、強く意識しなくてはならないのは、国外に資金を出して投資行動を行い、利益が出たらそれをまた国内に戻すという「国際的な行動」をとっているということです。
実際のプロセスだけ考えていますと、国内業者を利用して取引しているのとなんら変わらない錯覚を起こしますが、実はこの利益を国内に戻す行動には、本来関係ない人達まで非常に注目することになることを忘れてはなりません。
使用する名義はすべて自分が基本
海外FX業者で口座を開設した場合、自分の名義にするのは当然のことですが、入金する口座名義もクレジットカードも電子マネーもすべて「同一名義」で行うことが基本中の基本となります。
なにかの拍子に家族のクレジットカードなどから入金してしまいますと、通常は受け取られないはずですが、後々大変問題が起きることになるのです。
海外にお金を出して戻すことになると、国際的には「マネーロンダリング」ではないかとか、100万円を超える送金を行った場合、銀行から報告を受けた税務署がその資金の出所について非常に興味をもったりすることになります。
ですから、海外FX業者を使った出金行為は、国内でお金を出し入れする時とは、大きく異なるものになってしまうのです。
お金の出し入れは同一経路で
クレジットカードや電子マネーを使った場合は、その金額分は「返金扱い」で戻してもらうことになりますが、戻してもらうチャネルは同一経路である必要があります。
例えば、クレジットカードで入金した金額分は、クレジットカードへの出金。ネッテラーで入金した金額分はネッテラーへ出金というルールです。
それを超えた分(海外FXでの利益)については、基本的に国内への銀行送金となりますが、各FX業者の方針よって違います。
XMの場合ですと、クレジットカードで入金した場合に利益分についてはネッテラーやXMが発行するデビットカードへの出金が可能です。
4つの入出金チャネルの紹介
ほとんどの海外FX業者で使用可能な、入出金チャネルについて紹介していきます。
クレジットカード(デビットカード)
クレジットカードの入金、は通常のショッピング枠を使用することになります。
出金の際にはFX業者から「返金」といった形態での処理になりますので、カード会社側の事務作業が生じ、返金に時間がかかるケースがあります。
基本的に4日、土日をまたぐことを考えれば1週間程かかると見込んでおいた方がよいでしょう。
これが、デビッドカードですとほぼ現金の出し入れと同じになりますので、返金はクレジットカードと比較すると随分と早くなります。
早ければ翌日に返金されることもあるので、そのメリットは大きいです。
ネッテラー(Neteller)
ネッテラーとは「電子マネー」サービスになります。銀行のネットバンクを利用した事がある方であれば、世界中で使用できるネットバンクと考えれば分かりやすいかと思います。
海外FX口座に入金する為には、まず、ネッテラーにクレジットカードや銀行送金で入金を行う必要があります。
入出金の反映は、クレジットカードよりも決済が遥かに早いのが特徴で、リアルタイムで処理されるのがメリットになります。
ネッテラーへの入金に手数料がかかりますが、海外FXへの入金、海外FXからの返金コストは業者が負担してくれるケースが多くなりますので、これもなかなか便利だといえます。
国内送金
海外FX業者が国内に保有する銀行に入金をする形です。一昔前は、こういった便利な方法を採用する業者はほとんどありませんでしたが、国内の投資家が増えたことにより必須となりつつあります。
送金手数料は国内の手数料ですし、海外FX業者の口座に金額が反映される時間も、即日、もしくは翌日と早いのも特徴です。
ただし入金額については制限があるようで、数百万円などの入金は認められない場合もあります。
海外送金
海外FX業者が保有する「海外口座」に直接入金を行う形となります。
上記3つのチャネルよりも手数料が高く、海外FX口座への反映が遅いデメリットがありますが、数百万円単位で入金を行いたい方であれば、この方法が最も向いています。
銀行の海外送金受け取りはマイナンバーの提出が必要
今のところ国内の銀行振り込みにマイナンバーを提示することはありませんが、海外からの送金を受け取る場合には、今年から提示が必要になってきています。
いまのところ「猶予期間」で出さなくても受け取れますが、今後はしっかりマイナンバーを提示することが必要となってくる見込みです。
なぜマイナンバーを出す必要があるのかは疑問ですが、要するに海外からの資金受け取りの徴税率をより高めたいという税務当局の狙いがあるのではないでしょうか。
継続的に海外FXを使うなら専用の口座がお勧め
海外FXを通じて定期的に出金をするならば、送金コストの安い銀行に口座を作り、資金の動きを通帳上でしっかりトラッキングできるようにしておきますと、確定申告時などにもいろいろと便利になります。
特に1回100万円を超える海外からの入金がありますと、非常に税務当局がうるさくなりますので、細かく内容説明ができる透明性を確保していくのがお勧めになります。
資金の出し入れが時系列的にはっきりするように、海外FX業者用の「専用口座」を作っておくと説明はしやすくなります。
国内銀行での資金の受け取りは、中継銀行と取次ぎ銀行双方から手数料を取られることになるケースがありますので、できるだけ手数料が安いところを探しておくのがベストとなります。
ただどんなに努力をしても最低2500円程度はとられることになりますので、ほぼ無料で着金したということはありえません。
メガバンクを利用するのが最も間違いのない方法になりますが、ネットで完結するならば、「ソニー銀行」や「新生銀行」を利用する手もあります。
いずれにしても冒頭に記載しておりますように、単に業者にお金を入れて出すのではなく、国外にお金を出して戻してくることだという点については常に意識しておくことが必要になります。
コンスタントに儲かって多額の資金のやりとりがあり、税務上の不備が発生してしまうと、税務署からお呼びがかかる可能性がありますので、その為にもわかりやすく説明できるよう準備しておくことが重要になります。
こういった出金の手間を掛けたくなければ、やはりネッテラーやXMが発行するデビットカードの使用が最も便利といえます。