マージンコールとロスカットレベル@何%が適切なのか?

マージン

「証拠金取引」と呼ばれるものは、差し入れた証拠金にレバレッジをかけて売買をするものとなります。少額でも思惑通りの方向に相場が動けば、大きな利益を出すことができます。

しかし、想定していた方向と逆に動いてしまうと含み損が大きくなってしまい、やがて証拠金がなくなるところまでマイナス幅が拡大してしまうことがあるのです。

そうなると「追証」と呼ばれる追加の証拠金を差し入れることを求められることになり、それができないと強制的に損切りされてしまう事態に陥ります。

これはFXに限らず、株でもCFDでも同様の仕組みになっており、ある意味では世界共通の証拠金売買に伴う仕組みということが言えます。

基本的に「顧客を守るの仕組み」であり一般的には「投入した証拠金以上の損失が出ないようにする為」に設定されているものです。

国内では金融庁の行政指導によりこの仕組みは店頭、取引所FX業者ともに導入することが必須となっていますが、海外のFX業者でも同様の仕組みを持っているところがあります。

 

マージンコールは追証の催促

マージンコール 「マージンコール」は証拠金に一定以上の損失が出たときに、FX業者が顧客に対して「このままでは損失が膨らんでしまいますよ」と注意喚起をするとともに追証、つまり追加の証拠金を入れるように促すことを言います。

このマージンコールが発せられるタイミングは、FX業者によって様々ですが、海外の業者ではマージンコールなしでいきなりロスカットになるところもあるのです。

このマージンコールに対応して追加の証拠金を入金すれば、更に相場が想定した方向と逆に動き、損失が拡大してもそのままポジションを保有する事ができます。

しかし、その後も相場は回復せず、更に損失が膨らんでしまうと、またマージンコールがかかるという繰り返しの状態が起きることになります。

一般的にマージンコールは証拠金維持率が「120%以下」になった時に設定されていることが多いですが、業者によっては「100%」のところもありますし、「70%」に設定されていることもあります。

また、海外のハイレバレッジ業者では、ギリギリになってからマージンコールをしても証拠金が一気になくなることもありますので、余裕をもったところに設定しているところも存在します。

この「証拠金維持率」というのが、イマイチ理解しにくいので具体的に数字で表してみましょう。

※「1ドル100円」の時に「レバレッジ100倍」でポジションを持ったとしましょう。

証拠金表

証拠金が1万円ですと、証拠金維持率が100%になり、この状態が「フルレバレッジ」と解釈することができます。

つまり、フルレバレッジでの取引は業者によっては「既にマージンコールが発生している」状況と捉えることができるわけです。

証拠金が5万円ですと、100万円のポジションを保有する時の証拠金は「500%」

証拠金が10万円ですと、100万円のポジションを保有する時の証拠金は「1000%」となり、ここまでくるとかなり余裕ができる事がわかります。

今回の例ではレバレッジ100倍でご説明しましたが、海外FX業者はほとんどが500倍以上のレバレッジを提供していますので、更にレバレッジを上げれば証拠金維持率は確保することができることになります。

 

ロスカットは強制決済

カット

一方「ロスカット」というのは、マージンコールで証拠金を追加入金しないまま放置しておいた時に、FX業者が予め設定したレベルで「業者判断でロスカットが行われてしまう」ことをいいます。

この設定レベルのことを「ロスカットレベル」と呼びますが、業者によってこのロスカットレベルはマチマチです。

証拠金維持率「50%以下」で強制ロスカットをかけてくるところもあれば「20%」という業者もありますし「100%~0%」まで顧客が自由に設定できる会社もあります。

※1ドル円100円、レバレッジ100倍、証拠金が1万円の場合にエントリーを行った場合。

残高

「20%」のロスカットレベル業者であれば、2,000円以下になったタイミングで強制ロスカットが行われることになります。

これは「pips」ですと、米ドル円は1万通貨「1pips=100円」ですから、80pips以上下落すると8,000円の損失で「ロスカットレベル20%以下(2,000円以下)」となり、強制ロスカットが履行されるのです。

この業者によって違う、ロスカットレベルについて「何%がよいのか?」はそれぞれ投資家のスタイルや考え方によるでしょう。

ロスカットレベルが低いということは、上記の表の通り「強制決済が遅れる」ことを意味します。ただ、裏を返せば思惑と逆行していたポジションが「反転」する可能性も高くなるのです。

1ドル100.0円で買いポジションを持ち、99.50円まで下落。しかし、99.40円には強力なサポートラインがある。このようなチャート形は往々にしてあります。

この時、ロスカットレベルが50%であれば強制決済されるわけですが、20%であればポジションを保有できるわけです。その後、100円を超えて大きな利益を手にした時にロスカットレベルの低さに感謝することになります。

しかし、逆のパターンもあって、99.40円のサポートラインが常に機能するとは限りません。一切反応を示さずに99.00円までノーストップで下落が進行する可能性もあります。

その場合「99.50円」でロスカットしてもらって良かった。とロスカットレベルの高さに感謝することになります。

1万円の資金ですと、あまりリアリティがないかもしれませんが、これが100万円の証拠金だった場合、残金の差が「30万円」にもなりますので、違いは明らかでしょう。

 

ロスカットレベルは重要ではない!トレードの計画性が最も大切

海外FX業者を使い安定的に利益を上げたいのあれば、強制ロスカットレベルの比率についてそこまで気にする必要はないということです。

何故ならば、ハイレバレッジ取引こそ「損切り」が必須となるからです。

つまり「強制ロスカットを待つ」ような取引は行ってはすぐに資金が底をつきてしまいます。

1回、1回の取引について計画的な資金管理を行い、ロット数の調整が必要になります。

  • 本当にハイレバレッジで入っても良い場面なのか?
  • 損切りするといくら資金を失うのか?」
  • 何%のドローダウンまで許容できるのか?

こういった思考を持って根拠あるトレードを行うことが重要となります。ハイレバレッジ取引は「ハイリスクハイリターン」の投資であることを忘れてはなりません。

 

海外業者にはゼロカットシステムも

ゼロ

ここまで、マージンコールとロスカットレベルについて説明してきましたが、実はこれらの機能は「必ず」働いてくれるわけではありません。

普通の相場状況であれば、必ず強制ロスカットで損切りをさせられてポジションは終了になります。しかし、相場が急激な暴騰・暴落してしまったりすると、実はこの強制ロスカットには引っかからないような特別な事態が引き起こされることもあり得るのです。

その典型的な大相場となったのが2015年の1月に起こった「スイスフランショック」です。

ショック

2015年スイスフランショックがもたらした歴史的な悲劇

数年に1度起こる特殊な相場では、強制ロスカットが履行されたにも関わらず、証拠金を超える損失が出てしまうことがあります。

資金管理を確実に行い「損切り注文」を行っていたとしても、それが業者側で約定しなければ含み損はどんどんと広がってしまうのです。

このような状況に備え、海外のFX業者の場合、強制ロスカットではなく、証拠金がすべてなくなるとそれでお仕舞いという「ゼロカットシステム」を導入しているところが殆どです。

詳細については、下記のページで詳しくご説明していますが、この仕組みならばたとえ、どんな暴騰・暴落があっても安心です。

投入証拠金よりも大きな損失が発生しても、投資家は「一切追証を支払わなくて済む」といった仕組みですから、ある意味では個人投資家保護の装置としてかなり役立つものとなっています。

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追証とは?海外FX業者が採用するゼロカットシステムの魅力