すでに2017年でも結構話題になったAIの相場への導入ですが、株の世界では米系証券会社内における人のファンドマネージャーというのは激減し、ほとんどがAIを利用したシステム取引へとシフトしはじめているようです。
こうした動きは今後FXの世界でも顕著になることは明らかなようで、これからは個人投資家はAIとの闘いを相場で挑むことになりそうで、それなりの覚悟が必要になります。
AIはチャートの形から相場の先行きを判断
面白いのはAIの相場予測が単純に上がる下がるを様々な条件から絞り込んで来るのではなく、過去にあったあらゆる金融市場の相場のチャートの形の近似値から判断してくるということです。
人がやっている相場だけに、その展開というものは過去に合ったものに近いよう動くことが多いようで、自動運転車の世界でも話題になったGPUを利用してチャートの形を常に判断材料にしているところがなかなか興味深いものがあります。
こうしたやり方は相場のレベル感とは関係ありませんから、相場が高いところにあっても近似形でさらに上がるチャートを見つけてくれば、いくらでも買いあがるというかなり大胆な動きにつながることになります。
人の「裁量取引」ではどうしても絶対的な相場のレベル感から買いを躊躇したり、売りをためらったりすることが多くなります。
しかし、こうした発想のAIを実装したアルゴリズムが暗躍するわけですから、これまでの人の裁量取引の弱点を克服したような売買をしていかないと、さすがに市場で勝利を収めることができなくなりそうです。
こうした点については相当個人投資家も認識していくことが重要になりそうです。
AIの動きにほかのAIがついていく
一旦動きがではじめるとトレンドフォローでついていき、ダメだとなった途端に反対売買したり損切をしたりするのがAIの特徴となりそうですが、ひとたび大きな動きがでると多くのAIが同様にトレンドフォローで追随するようになります。
これが、想像以上に大きなトレンドを形成することもありそうで、予想を超えて相場が上がるという事態にも備える必要がありそうです。
こうした流れは人だけで行っていた相場には見ることのできなかったものですが、AIだけが戦って果たしてだれが相場に生き残るのかも今後興味のある問題になりそうです。
いずれにしても人間の裁量取引はかなりやりにくいものになりつつあることだけは間違いなく、市場で生き残るためにはこれまでとは異なる発想でエントリーするという工夫を重ねることがさらに求められることになりそうです。