弱いGDPうけて後退した年内利上げ期待を回復できるか<米雇用時計>

先週末の4-6月期GDPは予想外の弱さとなりました。 6月の雇用統計の好結果などを受けて個人消費の拡大が予想されたことから 事前見込みでは前期比年率+2.6%という好結果が期待されていました。 個人消費は実際に+4.2%と14年10-12月期以来となるかなりの高水準となりました。 しかし、GDPの約7割を占める最大のファクターである個人消費の伸びにもかかわらず 全体の数字は+1.2%にとどまりました。 1-3が月が+0.8%と1.1%から下方修正されており そこからの対比であるも関わらずの弱さということで、 年内の利上げ期待に水を差した格好です。 数字を押し下げたのは投資関連。 在庫投資が-81億ドルと、2011年7-9月期以来となるマイナス圏に落ち込み、 全体を1.16%ポイントも引き下げました。 3四半期連続となる設備投資のマイナスや、 今回マイナスに転じた住宅投資なども引き下げ要因となっています。 とはいえ在庫投資の弱さ自体は新規の生産を呼び込む可能性があります。 設備投資もマイナスとはいえ、減少幅は縮小。 年内の利上げ期待が何とか残っている状況です。 そうした中、注目されるのが8日の米雇用統計(7月)です。 前回6月は非農業部門雇用者数が前月比+28.7万人と、 事前見通しの+17.5万人を大きく上回りました。 5月は2.7万人の下方修正となりましたが、4月が2.1万人上方修正されており差し引きではそれほどの変化ではなく、 6月の高数字が際立つ結果となりました。 今回の予想はNFPが+18.0万人と、 さすがに前回は鈍るものの、まずまずの数字。 9月はともかく、年内の利上げ期待は当面継続でドル買いが強まりそうです。 予想を超えて20万人の大台を前回に続いて記録した場合は 9月の利上げ期待が回復する形で、大きくドル買いが進む可能性もあります。 前回0.2%悪化した失業率(労働参加率が上昇しており、それほど悲観されませんでした)や、 前回は予想を下回り、市場の警戒感を誘った平均時給なども要注目です。

[紹介元] ダックビル為替研究所 | Klug クルーク 弱いGDPうけて後退した年内利上げ期待を回復できるか<米雇用時計>