国内で海外FX業者を利用する個人投資家にとってはもっとも親しみのあるブランドがXMではないかと思いますが、このXMがいよいよ「ビットコイン」による入出金を可能にしたことが明らかになりましたので、その詳細をご紹介したいと思います。
セーシェルに本社を移転させてから作った口座での利用が対象
XMはもともとキプロスを拠点としてパンヨーロッパやアジアでの展開を行っているFX業者ですが、2016年にはセーシェルに同名の別法人を設立しており、新しい口座開設はセーシェルの監督官庁からの承認を受けてビジネスを行っている状況です。
今回のビットコインが利用できるのはこの「セーシェルで法人を設立して以降に開設した口座だけが対象」になるとのことで、それ以前からこの業者に口座を持っている方はいくらチェックしても入出金にビットコインが使える旨の情報は出てこない状況です。
つまり口座番号「2000XXXX」の取引口座だけで表示されているのが実情です。XMによればどうしてもビットコインによる入出金がしたいのであればセーシェルに口座を作り直す必要があるそうで、キプロスで作った口座からセーシェルの口座に資金を移すことはできないとのことでした。
たしかに同じブランドでも基本的に別口座になるわけですから、資金が移動できるとマネーロンダリングの対象になってしまうので、これが不可能なのは納得できる話です。
利用該当者には以下のような入金方法にビットコインが並ぶことになります。
ビットコイン入金にはいくつかの制限があるので注意
このビットコインはネット上に存在する現物のコインを仮想的にやりとりすることができます。
つまり、どこの国にも銀行にも制限を受けずに金銭のやり取りができるのが仮想通貨として大きな特徴であり、メリットになっていますが、今回XMで利用できるビットコインは月間で5000ドルまでしか利用できないのがまずひとつ目の制限になります。
また入金額と同額まではビットコインで出金できるものの、それを超えた利益の部分はビットコインでは出金ができないというもうひとつの制約がある点はちょっと残念です。
つまり現状では仮想通貨で自由にお金の出し入れができるというわけではなく、あくまで原資となる証拠金の部分についてだけビットコインが使えるという状況に留まっていることだけはあらかじめ理解しておかなくてはなりません。
本来ならばすべての出金部分がビットコインとなるならば、昨年突然廃止になってしまった「XMカード」や「ネッテラーカード」への出金の代わりになると期待したのですが、実はそういう状況ではないことがわかります。
仮想通貨が広く世界的に認められるのであれば、すべての出金をビットコインでということもあってしかるべきなのですが、まだそこまで自由にはなっていないことがわかります。
ただ、非常に安価なときにビットコインを沢山仕入れて価格が上昇したといった場合には、それを原資にしてFXに活用はできますので、一部のビットコインユーザーにはそれなりのメリットが残されているといえそうです。
ちなみにビットコインによるXMへの送金のときには送金手数料はXMが負担してくれますので、送金した満額が利用できるようになっています。
当然ビットコイン自体のレートもありますから、短時間に急騰するようなことになれば、同じ入金額でも入金時のビットコインの量と出金時のビットコインの量は異なるものになるものと思われます。
このあたりは実際に使いこなしてみないと、どのぐらい便利なのかはいまひとつよくわからないことになりますが、いずれにしても入金した金額分が上限になることだけは間違いのない状況となります。
世界的に有名なFX業者がビットコインを利用することにより、今後はほかのFX業者も同様の利用を進めることが期待され、ビットコインはさらに便利な仮想通貨になることが期待されます。