© Reuters. TC-Leas Research Memo(4):営業資産残高の増減に伴い利益が変動するストックビジネスが主体 ■業績動向
(1)業績を見るポイント
業績のベースは「営業資産残高」の増減で利益が変動するストックビジネスである。
利益の拡大には「契約実行高」を増やし、「営業資産残高」を積み上げることが必要になる。
また、本業の収益力を判断するためには持分法投資利益なども含めた、「経常利益」を軸に業績を見るのが最も合理的と考えられる。
なお、「経常利益」は「総資産」と「ROA(総資産経常利益率)」の掛け算となるため、収益力向上のためには、「営業資産残高」を積み上げるか(量的拡大)、ROAを高めるか(資産効率の改善)、その両方の動きがポイントとなる。
(2)過去の業績推移
東京センチュリーリース (T:8439)が発足した2010年3月期からの業績を振り返ると、「営業資産残高」の順調な積み上げに伴って、売上高、経常利益ともにおおむね右肩上がりで推移している。
特に、第二次中期経営計画がスタートとした2014年3月期以降、「営業資産残高」の伸びが著しいのは、「国内オート事業分野」と「スペシャルティ事業分野」の貢献によるものである。
「国内オート事業分野」の拡大については、2014年3月期に日本カーソリューションズとニッポンレンタカーサービスの2社を連結化したことによる影響が大きかった。
また、「スペシャルティ事業分野」の拡大は、2015年3月期に米国CIT社と航空機リース合弁事業を開始したことが主な要因となっている。
一方、資産効率を示すROAは、2.0%を超える水準(金融セクターにおいては高い水準)で安定的に推移しており、「国内リース事業分野」の事業環境が厳しいなかで、収益性の高い「スペシャルティ事業分野」「国内オート事業分野」「国際事業分野」の構成比を高めてきた結果と考えられる。
2016年3月末の事業分野別の営業資産構成比を2009年3月末と比較してみると、国内リース事業分野は81%→50%に、比率を下げる一方で、スペシャルティ事業分野は12%→28%、国内オート事業分野は3%→14%、国際事業分野は4%→8%と高い成長性を有する3事業分野が拡大するなど、7年間でポートフォリオは大きく変化した。
財務面については、営業資産残高の積み上げにより総資産が拡大してきたが、内部留保の積み増しにより自己資本比率は10%レベルで安定推移している。
(3) ROA・ROEについて
ROA(総資産経常利益率)は、6期連続で2.0%以上、ROE(自己資本当期純利益率)は7期連続で12%以上の実績を残している。
同業他社と比べて高い水準を維持していることからも、収益性および資本効率性の高さは同社の特色といえる。
特に株価との相関関係の高いROEは東証一部上場企業の平均水準(8%)の約1.6倍であり、同社の時価総額の順調な拡大に寄与しているといえる。
今後も同社のROEの推移には注視したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)













