試験の環境が整った米西部ワシントン州のグラント

三菱航空機が開発する国産初のジェット旅客機MRJは26日、愛知県営名古屋空港(同県豊山町)から、本格的な飛行試験の拠点とする米国へ出発した。8月下旬、離陸後に空調システムのトラブルで2度引き返してきた経緯があり、「三度目の正直」をめざす。

午後1時半ごろ、試験機の1号機が展望デッキに集まった航空ファンらに見送られて離陸した。試験の環境が整った米西部ワシントン州のグラント郡国際空港まで約8千キロを4、5日かけて飛ぶ予定だ。途中、北海道の新千歳空港やロシアのカムチャツカ半島、米アラスカなどで給油する。

8月のトラブルについて三菱航空機は、空調システムの空気漏れを感知するセンサーが正常に働かなかったとみて交換。点検の後、7回の飛行試験を国内で重ねた。不具合は出ず、米国に向けて3度目の出発に踏み切った。

三菱航空機は航空会社への機体納入を2018年半ばに始める方針。日米などの航空当局から安全のお墨付きを得るため、試験機の1~4号機を順次、米国に移し、試験を加速させることにしている。(細見るい)


[紹介元] 朝日新聞 経済ニュース MRJ「今度こそ米国へ」 米国へ3度目の出発