海外FX業者のライセンスについて考える

海外FX業者の場合、全くも無資格で売買を行っているところは最近ではほぼ消滅しており、この業界に少なくとも5年以上残っているところは本拠地となる国ないし他の国で何らかのライセンスを取得しているケースが殆どです。

しかし一口に金融監督機関のライセンスといいますが、その中味は実に様々です。

登録にいけばなんの審査もなく番号を提供する国もあれば、厳密審査をしているところもあり、その内容は様々となっております。

一般的に言えるのは先進国の金融監督機関のライセンスが厳密で間違いないものであり、それを取得するために要件をそろえている業者はやはりしっかりした存在であることがわかります。今回はそんな海外業者のライセンスにまつわる話です。

 

もっとも信頼できるのがUKのFCAライセンス

英国の 金融行動監視機構は通称FCAと呼ばれていますが「Financial Conduct Authority」が正式名称となります。

金融立国英国はEU圏でも様々な形で金融市場のレギュレーションをリードしてきましたが、このFCAは英国内の金融サービス業の規制、金融業界の安定性促進、顧客の安全を推進する役割を担っている存在です。

日本のFSA・金融庁も実はここを手本にしているとされています。英国財務省によって管轄されているFCAの規則は、絶対的なものですべての事案のついた規制当局としての決定を検討する機関となっています。

欧州圏でビジネスをしているFXブローカーの多くは、市場での顧客からの信頼度を得るためにFCAのライセンスを取得するケースが多く、こちらを見ますと登録されているかどうかが確認できます。

⇒ https://register.fca.org.uk/

ただ、事業者名はFXブランドではありませので、例えばXMならば「Trading Point of Financial Instuments」と入力して検索する必要があります。

FCA取得ライセンス業者は、顧客からの資金については厳密に信託・分別管理を履行しており、EU圏の業者の中でもかなり安全な存在といえます。

 

キプロスのライセンスもEU基準に準拠

EU圏でFCAに次いでしっかりしているのがキプロス証券取引委員会(Cysec)です。

もともとロシアのタックスヘブン的な位置づけから、金融サービスが発展したキプロスは今やEUの準加盟国扱いになっていますので、EUの金融当局の統制条件を順守するようになっており、中身はFCA並みに厳しいものになりつつあります。

オーストラリア証券投資委員会(ASIC)もしっかりしたものがありますが、残念ながら日豪の取り決めで日本人は豪州の業者には登録取引ができませんので、海外FX業者としてお目にかかることはほとんどありません。

 

タックスヘブンの地のライセンスはお世辞にも信頼はできない

問題なのはここから先で、「モーリシャス共和国金融庁」 「FSC、英国領ヴァージン島」「BVI,ケイマン諸島」「CIMA,セーシェル金融庁」「FSA」などは確かに登録はあるのでしょうが、どれだけ厳密に審査しているのかはよくわからないものがあります。

多くのFX業者がこうしたタックスヘブンのような地を本拠地としているのは、彼らのビジネス上の税金対策がその主な理由です。

かならずしも緩い金融規制の地だから本拠地を置いているわけではありませんが、FCAなどのしっかりとしたライセンスも並行取得している業者がやはり安心な存在といえます。

 

ニュージーランドには他国の国民相手のビジネスをするライセンスも

先進国と呼ばれる国の中でもっとも不思議な存在であり、意外に危ないのがニュージーランドです。近年ではニュージーランドに本拠地を置く業者が非常に多くなっています。

もともと東京都の半分ぐらいの人口で、下手をすれば羊の数が人間を上回るニュージーランドで、なぜFXがそんなに流行りなのかと思われる方も多いと思います。

実はここに本拠地を置く業者は実はニュージーランド内では全く事業を行っておらず、それを条件としてニュージーランドの金融当局から名ばかりの登録番号を付与されているのです。

したがってよくみると隣国のオーストラリアの金融庁ライセンスをもっている業者もほとんどなく、非常にもっともらしく見えますが、中味はかなり信頼性の低い存在であることがわかります。

 

まとめ

このように各国の金融ライセンスひとつとってみても状況は実に様々であり、その信頼性にはかなり差があることがわかります。

やはり海外FX業者はどの国のライセンスを取得しているか、をしっかり把握することが重要になるのは言うまでもありません。

国内でも人気のハイレバ口座であるXMなどは、欧州圏と日本人投資家などのそれ以外の居住者を振り分けで「セーシェル口座」を開設することで、欧州の規制が及ばないように配慮するなどかなり事業戦略的な措置をとっています。

したがって「トータルでどのようなライセンスを取得しているのか」を見ることが極めて重要になることがわかります。