海外FX業者は何故日本の金融ライセンスを取らないのか?

金融

海外FX業者のうちのいくつかの業者は数年前から日本国内にも拠点を作り、日本法人として国内の金商法の下で厳しい制限を受けながらビジネスを行っています。

しかし、飛躍的に顧客を獲得して業績を伸ばしているところは殆どなく、むしろ撤退したり事業売却をするケースの方が目立つ状況となっています。

逆に多くの海外FX業者は、国内に拠点をあえて作らずに日本人投資家の獲得に勤めているケースが目立ち始めています。

こうした海外業者はなぜ「日本で金融ライセンスを取得」してビジネスを行わないのでしょうか?

この項目ではその理由についてご説明してみたいと思います。

 

日本法人=日本の法律に制限

法律

まず海外FX業者は、国内に法人を設立登記して事業を始めようとした途端に「国内の法律の縛り」を受けてしまうことになります。

サーバーを立ち上げてオペレーションをするだけならば、20名程の人員と数千万の資本金があれば簡単に国内法人を設立することは可能です。

しかし、この瞬間から海外業者としての大きなメリットであった「ハイレバレジ取引」はすべて25倍上限に制限されることになります。

また、多額のボーナスの付与も消費者庁が管轄する「景表法」で厳しく制限されてなにも履行できないことになります。

更に言いますと、証拠金以上の損失がでた場合には、それ以上を顧客に請求しない「ゼロカットシステム」もなぜか海外から日本にやってきた業者は封印しているようで、導入しているところはありません。

これは、おそらく業界団体によるなんらかの「暗黙の了解」が機能しているものと思われますが、こうした海外FX業者ならではのメリットについては、

「国内に法人を作った途端にすべて失われる」ことになってしまうのです。

テコ

海外FX業者を使ったハイレバレッジ取引の魅力について解説

ゼロ

追証とは?海外FX業者が採用するゼロカットシステムの魅力

 

国内のFX市場は「ガラパゴス」

ガラパゴス諸島

世界中の投資家が使用する人気の「MT4チャート」を導入しても、EAの利用に関しては金融庁から厳しく行政指導があるため、自動売買も思ったほど人気にはならず、せっかくの優秀なプラットフォームも不発に終わってしまっているのです。

逆に国内では8割以上の個人投資家が「ドル円」だけに偏重して取引を行っていることから、スプレッドを目一杯狭くする競争が延々と続いている現状があり、今までスプレッドを最重要視していなかった海外業者は戸惑いを見せることになってしまうのです。

日本国内のFX業者は、世界からみても特殊な環境であり、独自の取引ツールやスマホ対応のアプリ開発など、海外でビジネスをしていた時には考えられないような余分な開発コストがかさんでしまうことも経営を圧迫する原因になっています。

わかりやすく言うと、これはまさに「ガラパゴス携帯」と揶揄された、世界のトレンドを無視した開発で、大幅に遅れをとってしまった国内の携帯電話市場とそっくりな状況と言えるのです。

結局これではせっかくの海外FX業者のメリットを、なんら活かすことができないというのが、多くの海外FX業者が日本に上陸してこない大きな理由になっています。

 

わざわざ現地法人を作るメリットがない

提携しない

また、税制上でもFXはネットビジネスですから、いちいち個別の国に拠点を作って租税を収める対象になるよりは、一箇所でビジネスを行った方が数段効率が高いともいえるのです。

これは、日本では法人税率も高く、わざわざ現地法人を作るメリットを感じない業者が多くなっている事を示唆しているといえます。

こうしたことから、今では多くの海外FX業者は国内に拠点を置かず、あえて海外から顧客を呼び寄せる仕組みを強化する動きにでています。

「キプロス」に拠点を置く業者の場合には、同様の手法で「欧州圏に拠点を置かず顧客を獲得」する事に成功していますので、この手のビジネスモデルはかなり定着したものということが言えます。

 

日本人投資家対応に投資した方が安上がり

コスト

海外FX業者の多くは、日本に上陸せずに外から日本人の顧客を取り込む戦略を強化しています。

そのため日本人専用のヘルプデスクを開設したり、すべての入出金は「円建て」で行えるようにしたり、入出金についての費用は業者ができる限り負担し、リアルタイム入金や出金に近いサービスを導入することで、顧客サービスに努めているのです。

また、国内業者にはできいボーナスも多く投入する業者が多く、クリスマス時期に入金したり、ゴールデンウイークに入金するだけで100%のボーナスを支給するといったプロモーションを行っています。

また、コンテスト(無料で参加可能)で優勝者に現金を支給したりと、あの手この手で国内業者にはないインセンティブを強力にアピールする動きとなっています。

また広告出稿も非常に多くなっていますので、いくつもの海外FX業者が国内でかなり高い知名度を獲得するようになっているのです。

さらに海外FX業者の利用者が国内で劇的に増えたことにより、いくつものサイトでレビューを書き込んでいることも、海外業者の追い風になっています。

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日本の金融当局の規制は異常に厳しい

厳しい

海外FX業者が日本に法人を置きたがらない理由の一つとして「異常に厳しい金融当局の対応」があります。

FX業者は国内では金融庁による登録・免許事業ですから、細かい要件に合わないと日本ではビジネスできないというのも大きな参入障壁になっていると考えられます。

しかも金融庁の示すガイドラインというのは、悪く言えば部分最適化しているだけで、本質的な顧客保護などには必ずしも手をつくしておりません。

このような状況ですから、海外業者もそこまでして日本に法人を開くかどうかを迷うのは当然の成り行きといえます。

しかも、先行して日本に法人を設立した海外FX業者は、多くのメリットを持っていたはずなのに、その殆どがうまくマーケティングに活かすことができず、泣かず飛ばずの状態になっている事も二の足を踏ませる大きな要因になっていると言えます。

日本国内の投資家が海外のFX業者で取引する事は、日本国内で法律に触れているわけではなく禁止されている行為でもありません。

つまり、現状のままで海外から日本人顧客に対してアプローチする業者というのは、今後も多くなりそうな状況にあると言えます。

まとめますと、海外FX業者は国内に拠点を置く事は簡単にできる。しかし自社の魅力が損なわれてしまうので「あえて」日本法人を設置しない。ということになります。

判決

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