海外FX口座の最大のメリットは、国内のFX業者にはない「驚くべきハイレバレッジを利用できる」ことです。これがあるからこそ入金額を超えた出金のために、それなりの送金費用がかかっても海外のFX口座を利用するだけの価値があるといえるわけです。
しかし、簡単に利益が出せる分、逆に簡単に損失も膨らむのが特徴で、いくら証拠金を潤沢に投入しておいても含み損の増え方は国内で25倍のレバレッジで取引をしているのとはわけが違いますから、ある意味恐ろしさも感じる口座であることは間違いありません。
この海外FX口座をどううまく利用するかは利用者によってそれぞれ考え方があると思いますが、もっとも確実な攻略法として注目すべきなのが「スキャルピングへの利用」です。
長くポジションを持たないのがハイレバ利用の極意
ハイレバレッジのFX口座での取引で失敗しにくいのは、やはり短期間に取引をするということです。
日ごろレンジ相場を形成する時間の長いドル円でも最近では1日に1円近くは上下しますし、東京タイムで動いていた方向とロンドン、NYタイムでの動きがまったく逆さまになるということはかなり頻繁に発生しますから、長くポジションを持つということはそれだけリスクの高いものになるわけです。
とくに枚数の多いポジションを保有使用と思うと、かなりのリスクを抱えることになりますから、精神的にも決していいものとは言えません。
こうなると、できるだけ「短時間にポジションを保有して売買をする」のがもっとも都合のいい方法になってくるのです。そこで考えられるのがスキャルピングへの利用ということになります。
スプレッドは決して狭くないがスキャルに向いている
たとえばハイレバレッジ口座でもっとも国内では人気も高く利用者の多い「XM」ですと、スプレッドはドル円で常に2銭の固定状態すから、国内の原則0.3銭固定の取引などに比べますとスキャルピングのためには必ずしも有利な取引条件とは言えない部分があります。
ただし、圧倒的な違いを見せつけてくれるのは証拠金のコストで、1ドル110円を想定しますと、1000通貨の取引で25倍のレバレッジ下では4400円ほどかかる証拠金コストが、XMではたった124円で売買でき、1万通貨でも1240円で売買ができる点は「スプレッドの狭さを大きく越えるメリット」になっているといえます。
確かにスプレッドは狭い方が確実に利益を狙えますから、動きが少ないときにはリスクが高くなり、取引ができる状況にもそれなりの制限がかかることは事実ですが、一般的な時間帯でそれなりにボラティリティがある場合には売買しているとほとんど気にならなくなるのが実情です。
枚数を増やしたスキャルピングこそメリットがある
こうしたことから「ハイレバレッジの取引はやはりスキャルピングを中心にして売買する」ことに大きなメリットが生じることになります。
もちろん作ったポジションがそれ以上に利益がでそうならば、数分でなくもう少し引っ張って保有することもありえますが、基本をスキャルピングに徹することとして売買するのはかなりリスクの少ない売買行うことが可能にしてくれるといえます。
また上述のように証拠金がかなり少なくて済みますので、一回の取引枚数を増やしたり、買い増ししたりすることで短時間にかなり大きな利益を上げることも可能になります。方向感があって利益がでそうなときには、すかさず買い増しをすることで利益を倍増させることも可能になります。
ただし、このハイレバレッジをうまく使いこなすためには、売買した方向が間違ったと思ったときにはとにかく躊躇なく一旦損切りをして入りなおすという習慣をつけることが重要です。実は戻りを待つような日本人のFX個人投資家がよくやるような方法を取るのは非常に危険です。
ナンピンでポジションを追加するのも一定のルールで行うのは仕方ありませんが、闇雲なナンピンは25倍程度の取引に比べるとリスクが強烈に高まりますので、絶対やらない習慣をつけることが重要です。
動意が少ないときにはやらないという勇気も
スプレッドの大きなハイレバレッジでのスキャルピング取引は、とにかく「動きのあるときにやるのが大前提」になります。
まったく動かないのに、無理してハイレバレッジで市場に参入するのは決していい結果をもたらしません。
日常的にFX取引をする習慣がついてしまいますと、相場がどのような状況であれ、とにかく参入して売買することが当たり前のようになってしまうことが往々にしてありますが、ハイレバレッジをうまく利用するなら動かないときには絶対やらないことも基本的な姿勢になります。
儲けられる相場環境ならば、ハイレバレッジはその威力を如何なく発揮してくれることになりますが、うまく利用できないときにはやらないというのも非常に重要な取引姿勢になります。
また重要な経済指標が発表になって、相場がどちらに行くかわからないといったリスクの高い時期も無理して利用しないのが鉄則です。
通常のレンジ相場がハイレバレッジにとっては、もっとも利益が出しやすい時期であることをしっかり認識して有効利用するのがお勧めとなります。