国内でFX取引をされたことがある方ならば、海外FX業者が提供する取引条件の一部はとても魅力的に映るものがあるはずです。
海外FX業者で運用には国内業者にはない大きなメリットもありますが、もちろんデメリットもついてまわります。
この項目では、そんな海外FXの6つのメリットと5つのデメリットについてまとめます。
海外FX業者6つのメリット
メリットとしては次のような6つのポイントが上げられます。
1.国内では実現できないハイレバレッジの利用が可能
まず何と言っても海外FXを利用する大きなメリットは、国内では利用できない「ハイレバレッジ」を使用できることです。
2011年8月以降、国内の個人投資家は「25倍のレバレッジ」が最大になってしまいました。
しかも、最近では法人格をとって取引するトレーダーにおいても、金融当局がレバレッジを下げようとしている動きがあります。
つまり、個人投資家は現在も、法人投資家は将来的に、国内の業者を利用していたのでは、大きく儲けるチャンスを逃すことになってしまうのです。
レバレッジというのは、投入資金と関係することになります。
仮に1ドル円100円の時に、1万通貨を売買しようと思うと25倍のレバレッジでは4万円のコストを必要とします。
しかし「1000倍のレバレッジ」を使えば、1万通貨を1,000円で取引できることになりますから、レバレッジによっていかに投資効率が高まるかは一目瞭然となるわけです。
※1ドル100円の時に米ドル/円 1万通貨を保有する場合の必要証拠金
たしかに大きなレバレッジ=大きな損失にも繋がりますからリスクも当然あります。
ですが「上手にハイレバジレッを使えるタイミング」を選んで売買すれば、これほど威力のある取引手段はないといえるのです。
2.日本にはないボーナスプランを豊富に用意
これも国内のFX業者を利用しているのであればお目にかかれないものですが、海外の業者の場合には取引にあたって国内の「景表法」のような規制を受けない為、ボーナスなどを自由に支給することができるのです。
入金した証拠金と同額の100%ボーナスがでたり、無償のコンテストに参加すると現金の賞金が貰えるといった、インセンティブは日本では絶対に得られないものとして注目されています。
とくにボーナスとして入金額よりも20%増し、50%増し、100%増しといったサービスをしてくれるところは、証拠金以上の取引ができるので非常にありがたいものとなります。
たとえば「XM」では初回入金額ボーナスを「50%」に設定しております。
仮に初回入金を10万円にした場合、10万円×50%=5万円がボーナスとなり、証拠金は15万円となるのです。
また、初回ボーナスの50%を使いきったとしても、ゴールデンウィークなど時期によって、既存会員であれば誰でも使用可能なボーナス「100%」というプロモーションも行っております。
「100%」ということは、10万円入金した場合に証拠金が20万円まで増えるということになります。大きなレバレッジ取引の場合、証拠金はいくら多くても全く困るものではありませんので、この仕組みは心強い味方となります。
ボーナスは、証拠金として利用できる「クレジット」ですから現金として出金することはできませんし、一旦出金を行うと消えてしまう会社が多いのも事実です。
ただし、とにかく所持金以上に取引ができる仕組みは、短時間に大きな利益を獲得するに重要なツールとなるため、利用者にとっては極めて大切なメリットといえるのです。
3.投資家と利益相反しないNDD方式を採用
海外FX業者のメリットとして意外に大きいのが「NDD方式」と呼ばれる、外部のカバー先にすべて顧客のオーダーを振ってしまう仕組みを利用していることです。
これは「DD方式」と「NDD方式」の項目でも詳細にご説明していますが、業者の社内で顧客との反対売買を一切せずに外部のインターバンクにオーダーを振って、そこにマージンを載せている仕組みになります。
顧客との利益相反といった動きは全く存在せず、業者にとってはシンプルに「取引ボリューム」が多くれば利益になるという点が、透明性の高い環境を実現しているのです。
海外FX業者にしてみれば闇雲に証拠金を減らさずに、永続的に儲けを出してくれる「個人投資家を多く保有する事が自分たちの利益になる」という点は国内の業者における、不可思議な動きとは大きく異なるポイントでもあるのです。
4.約定力が高く業務透明性も明確なこと
これは「NDD方式」に絡むメリットになりますが、外部にオーダーを振って最適化しているため、100%の約定を目指している会社が多いのもメリットと言えます。
「電子商取引」といったアルゴリズムを多用した高度なシステムも導入していますので、利用するトレーダーにとっては売買がしやすいのが海外FX業者の特徴でもあるのです。
また「DD方式」のように顧客にはよく理解できない「ブラックボックス」のようなプロセスを社内に持ち込んでいないため、業務の透明性の高さは抜群で、このあたりも国内業者とはかなり異なるポイントになっています。
5.ゼロカットシステムを導入している
「ゼロカットシステム」の導入は個人投資家保護の観点から、重要な項目になっています。
相場は定期的に大暴騰、大暴落がやってきます。リーマンショックや記憶に新しいスイスフランショックなど、定期的に○○ショックと名称がつく大相場がさまざまな要因から発生してしまうのです。
このような暴騰、暴落などの極めて異常な状況に陥っても、利用する個人投資家は自分で投入した証拠金を超えた損失を受ける事は一切ありません。
つまり海外FX業者では「追証」がなく「借金」を背負う事はあり得ないのです。
これは、残念ながら国内ではどのFX業者も適用していない「海外FX業者だけの仕組み」となるのです。
6.MT4などの最新取引ツールが使えること
これも海外FX業者の大きな特徴となりますが、彼らは取引ツールに投資することは全くなく、最新のツールを利用者に提供する傾向が極めて強いのです。
国内の業者はPC用でもスマホ用でも、とにかくオリジナリティ溢れる取引ツールをふんだんに提供するのが大きな特徴となっております。
見るからにお金をかけている感じがしますが、海外業者はボーナスやインセンティブなどに費用を傾斜配分する代わりに、独自のプラットフォーム開発などは一切行っていません。
こうしたことから多くの海外FX業者が利用しているのが、シェアツールでチャートソフトとしても秀逸な「MT4」の導入です。
これは、ロシアのソフトウエア開発会社が作り出したチャートソフトであり、これはあらゆるチャートを実装することができます。
たとえば、日本で生まれた独自のテクニカル分析ツールも後からインストールして使うことができるのが特徴で、何より「EA,エキスパートアドバイザー」を使って自動売買ができる点は大きなメリットとなっています。
海外業者は有償、無償でこうしたEAを顧客に提供していますから、日本でMT4を使うよりも数段便利な使い方ができるのです。
海外FX業者5つのデメリット
上記のようなポイントが海外FX業者を利用するメリットとなりますが、もちろん、デメリットもそれなりに存在します。
1.出金に時間とお金がかかる
国内のFX業者のリアルタイム入金制度に触発されて、日本人を相手にする海外FX業者も入金に関しては、リアルタイムで口座に反映される仕組みを導入しています。
この部分に関しては、海外口座を利用していることをすっかり忘れてしまうような便利さを味わうことができます。
ただし、海外FXは何と言っても海外にお金を持ち出して投資を行っているわけですから、国内と同じように簡単に自分の銀行口座にお金を戻せるわけではない点は、大きなデメリットといえます。
とくにクレジットカードや特別な送金方法を使った入金分は、同じルートを通して返金されますが、それでも口座に反映される為にはクレジットカードで「4営業日程度」はかかりますから、出金が手元に届くまでにはそれなりの時差が発生することになります。
また、海外からの送金による口座振込みの場合には業者側が出金の手数料を負担してくれる場合でも、国内で受取る銀行サイドの手数料は最低でも「2,500円程度」かかりますので、利益からこうしたコストが減額されることになってしまうデメリットもあります。
海外FX業者によっては出金コストを全て「利用者負担」にしているところもあります。
こういった業者の場合、国内でも受取りコストの高い銀行などを利用してしまうと、1万円出金したのに口座に返金されたのは2000円以下といった笑えない状況に陥ることもあるのです。
せっかくFXで取引しているのに、最も高くついたのは「為替の送金手数料」だったという話は、冗談抜きで結構頻繁に起きているようです。
このデメリットを克服するためには、ネッテラーなどの「電子マネー」口座を開設しておくことがお勧めになります。入出金がスムーズになり海外FX業者を利用した資金の出し入れに無駄な手数料がかかからりません。
2.長期ポジション保有に向かない
ハイレバレッジ取引は短期で少ない資金の運用という点ではかなり優れています。
しかし、長期にポジションを運用するには向かない部分が多いといえます。
とくにスワップポイントを獲得するのであれば、ハイレバレッジはリスクが大きすぎますし、スワップポイントも通貨ペアによっては買っても売ってもマイナス設定になる業者が多く、取引の仕方次第ではうまく利用できないこともあるのです。
やはりハイレバレッジ取引は、取引スタイル、方法によってはデメリットになることを覚えておく必要があります。
3.信託保全が義務化されていない
国内業者の場合には金融庁の厳しい行政指導もあり、100%のFX業者が「信託保全」を行うことを義務付けられています。
この制度により、まさかの時にも資金が戻る可能性は極めて高くなります。
一方、海外業者はこうした統一ルールがありません。特定の補償機構に加盟している業者ならば「2万ユーロ」まで保全されるところもあります。
しかし、そういった仕組みを利用していない業者であれば取引によるデメリットが生じることもあるのです。
また一定の補償が得られる業者であっても「補償は入金した証拠金だけに限られる」ケースがほとんどですから、儲けはしっかりと自分の口座に戻すという努力をしていませんと、意外なところで損害が膨らむリスクもあるのです。
このあたりも国内業者とは異なる大きなデメリットのうちの一つといえます。
4.スプレッドが総じて広いこと
国内のFX業者を使い慣れてしまいますと、海外業者を利用して最も違和感を覚えるのが「スプレッドの広さ」です。
国内であればドル円は0.3銭ぐらいがもはや当たりまえの世界になっています。
一方、海外業者では狭いといっても1銭といった設定をされているところが多いので、スキャルピングなどに使う場合には若干デメリットになることが考えられます。
ただ、証拠金から考える「利益創出率」はあきらかに「ハイレバレッジ取引」の方が各段に大きくなりますので、これも通貨ペアの選択の仕方と使い方次第という部分が大きいといえます。
5.日本語のヘルプデスクはあるが、日本の業者と同じ対応ではない
日本人投資家を多く獲得するため、海外FXの業者でも殆どが日本語対応や日本語専門のヘルプデスクを開設しています。
通常は日本語でのやりとりで全く問題はありません。ただし、FXの場合には夜の時間帯に取引することも多くなりますから、「日本語対応の時間帯以降に問題が起きた場合」には英語でメールをしたりチャットをしたりする必要に迫られることもあります。
これは英語ができる人にとっては、なんのデメリットでもありませんが、英語が苦手なトレーダーにとっては大きなデメリットとなってしまいます。
ただし、英語のサポートであっても、インターネットの翻訳サイトを使い、片言の英語でやり取りをすることも十分に可能ですので、これに関してはそれほど心配する必要はないかと思います。
まとめ
このように海外FX業者を利用することにより、得られるメリットもあればデメリットが存在するのもまた事実です。
特にデメリットは利用する個々人によって、かなり異なるものとなりそうですが、ひとついえるのは「海外FX口座にオールマイティを求める必要はない」ということです。
国内業者の口座を使った運用で、満足しているのであれば、なにも海外口座に資金を持ち出すことはありません。
しかし、ご覧のように国内で実現できないサービスや環境を海外FX業者は展開していますので、そのメリットの方を引き出して見るのも一つの選択になるのではないでしょうか。