海外FX業者の口座は、もともと日本の個人投資家だけを対象としたビジネスではありませんから、口座に入金できるお金も日本円だけではなく、米ドルなども設定されています。
したがって日本からでも「円建ての口座」と「ドル建ての口座」を開設することができるのです。
実際この二つの口座はどう異なり、どちらがお得なのかについて考えてみたいと思います。
円建て口座の特徴とは?
「円建ての口座」というのは日本のFX業者における、口座管理と同様のものという事になります。
入金はすべて円で行い、売買をした利益も円建てで積み上がることになりますから、出金はその分を円で送金してもらうことになるという、非常にシンプルなものです。
入金するにしても出金するにしても、為替の影響を受けることは一切ありませんから、無駄のない口座運用ということになります。
ドルで預金をしており、そのままドルベースで入金が可能といった、特別なことができる個人投資家でなければ、投入資金が円である限り「円建て」の口座を開設するのが最も無駄のない方法ということになります。
ドル建て口座はすべてがドルベースの管理
一方「ドル建ての口座」というのはドルで入金し、売買における利益管理もドルになり、出金もドル建てという形式になります。
ドルを銀行口座などで保有しており、それを入金して売買し、またドルで出金することを求める利用者にとっては、非常に便利な口座ということになります。
しかし、国内から円で入金してドル建て口座で運用する場合には、お金のやりとりがある度に「為替差損」が出ることとなってしまいます。
業者によっては、円で入金してもドル建ては業者内のレートでドル転してくれるところがありますから、入金時の差損ということはあまり多くありません。
ただし、これを銀行でドルに変えて送金する事になると、1ドルあたり最大1円の為替手数料を平気でとられることになりますので、殆ど意味がなくなってしまいます。
また、この両建て手数料は「出金時」にも同様のことが起きることとなります。
FX業者はドルのまま送金してきますので、日本の銀行でそれを受け取って円転することになれば、また為替手数料を徴収されることになります。
こうなると、往復で手数料を銀行に払う必要があり、原資も利益も減少することになってしまうのです。
つまり、海外に口座からダイレクトにドル入金ができ、出金もドルのまま保有することができる口座をもっていない限り「ドル建て口座」はほとんど意味がありません。
特に最も為替手数料の高い銀行を経由して往復で手数料を取られるというのはナンセンスで、そもそもFXをやっているわけですから、銀行にこうした多額の手数料を支払うプロセスを、入出金に組み込む必要はありません。
海外FX業者は円建ての口座を用意している
日本人の個人投資家の獲得に力を入れている海外FX業者の殆どは「円建て口座」を用意していますので、入金から売買、出金に至るまで全てを「円建て」で処理することが可能です。
つまり、為替の差損は一切発生しないことになります。したがって、海外FX業者をお得に利用するならば最初から「円建て口座」を利用することがお勧めとなります。
海外FX業者を利用するとなると、漠然と「ドル建て」の方がいいのではないかと思ったりする方もいらっしゃいます。
しかし、冷静に考えて見ますとお金が出金されて戻ってくる段階で、日本円にするわけですから日本円で送金してもらうのが最もお得になる事はすぐに理解できるはずです。
「ドル建て口座」を必要とする場合は、出金後もドルで利用するのが便利な人だけに限られます。
そもそも最近の海外FX業者は、最初からドル建て口座を勧めてきませんので、円で売買できるところは自動的に円建ての口座開設の設定となるのが基本です。
このあたりはヘルプデスクに問い合わせてみても、しっかりお得な方法を教えてくれますので、納得がいくまで確認してから口座開設をされてみるのがいいのではないでしょうか。