FXの国内口座と海外口座を比較した場合、どんなところに違いがあるのでしょうか?
よく単純に業者が提示している取引スペックで比較してみることが多くなりますが、決定的な違いはもっと手前からあるのです。
この項目ではそんな違いを徹底検証してみたいと思います。
海外FXはまさに「海外での資産運用」
店頭にせよ取引所にせよ国内のFX業者を使って投資を行うというのは、国内で資金を運用することになります。つまり、全ての取引は「国内法に基づいて」行われることになるのです。
したがって金融庁なり監督官庁が決めたルール、業法にのっとって売買が行われ課税されることになるわけです。
しかし国内に拠点をもたない海外FX業者を使って取引を行うということは、海外の資金を送金して国外で投資活動を行うことになりますので、基本的にこの部分が最も大きな違いになるのです。
まず、海外FX業者が「登録認証を受けている国の監督官庁」が定めた運用ルールに従わなくてはなりません。
海外から送金して利益を自分の国内銀行口座に戻すプロセス一つとってみても、国内で行っている投資とは異なるコストが掛かったり、税務署が入金の状況を確認したりと様々な差異が発生することになる点は、まずしっかり認識しておく必要があるのです。
国内と海外を決して同じものとして評価するわけにはいきません。
特に、国の外にお金を持ち出して投資をすることに関しては、国内にないメリットとともに、大きなリスクも伴っている事をまずはしっかりと理解しなくてはならないのです。
海外口座は「自己責任」がより強くなる
国内の金融市場というのは、新しいビジネスが始まった当初は混沌として「なんでもありの状態」が続きました。
しかし、様々な不具合が出始めるといきなり「消費者保護」の名のもとに規制が厳しくなり、過剰な制限が加えられるようになるのが、よくも悪くも我が国の特徴になっています。
FXもまさにそれに当てはまるもので、2004年頃「雨後のたけのこ」のように次々と店頭FX業者が登場した頃はほとんど規制らしいものがありませんでした。
ですが、リーマンショックの大暴落などで大損をした個人投資家が続出してからは、過剰な取引内容制限がかかるようになり、今日に至っています。
国内FX業界自身、かなり成熟してきていることがそのレベルを高めることになってはいるのですが、そこに金融当局の厳しい取引制限が課せられている為、正直なところ個人投資家にとっては、利益機会を減少させられる部分が大きくなっています。
長くFXに取り組んでいる投資家にとっては、非常にもの足りない取引環境になってきていることは間違いありません。
一方海外FXの口座を利用してみますと、国内の金融庁の過剰とも思える規制・制限が全くなくなりますので、実に自由に取引ができるという印象を持つことになります。
毎年厳しく国内で制限を受けてきたレバレッジも、海外業者を使えば最大1000倍ぐらいまではいとも簡単に利用できることになるわけですから、小額でも大きな利益を稼ぐ機会を与えられるのです。
こうしたレバレッジは「自己責任」で小さくして使うことも可能であり、すべては個人が責任をもって判断し利用していくことが基本になっていることを強く感じさせられます。
どんなに金融当局が手厚く様々な制限を施しても、FX市場で投資をすることによるリスクというのは国内でも海外でも変わりません。しっかりとした条件を整えた業者を選定して利用すれば、海外FXでも十分、その妙味を味わうことができるのです。
海外FX業者と海外FX業者を比較
海外FXと国内FXのスペックを簡単に比較してみましたので、まずはこちらをご覧ください。
国内では得られないインセンティブを享受するなら海外口座
海外FXには国内FXには存在しない様々なインセンティブがあります。
ここでは、典型的な6つのインセンティブを順番にご紹介しておくことにします。
1.レバレッジに規制がない
海外口座を利用する個人投資家の最も顕著な利用理由となっているのがレバレッジです。
国内業者における「25倍のレバレッジ」も決して低いものではありませんが、過去の200倍、300倍が当たり前だった時代から考えれば、かなり見劣りするものであることは確かです。
含み損を抱えると損失が短時間で大きくなるのが、ハイレバレッジのリスクということになります。ただし、正しい方向に利用することができれば、ごく短時間に少ない原資を大きく拡大することができますから、絶好のチャンスを与えてくれるものでもあるのです。
500倍や1000倍といったレバレッジは、確かに常時使い続けると危険ですが、絶好のタイミングの時に利用すれば、これほど効果的に利益をあげられるツールはないのです。
チャートを見ずに取引しない投資家はほとんどいないと思います。
誰もが「これは上がるだろう。」と感じ、思惑通りに相場が上昇した経験はあるのではないでしょうか。
たとえば、黒田バズーカなどの強いファンダメンタルズ要因や、世界中の投資家が意識するサポート・レジスタンスラインを力強くブレイクした時、相場は一方向に動きます。そのチャンス相場において、ハイレバレッジ取引を行うというのは実に効率が良いトレードとなるのです。
多くの国内個人投資家は、こういった取引スタイルに気づき始めているというわけです。
2.ボーナスなどの魅力的なプロモーションがある
国内の業者には全く存在しない、もう一つの魅力がボーナスなどのプロモーションが海外業者の口座にはあることです。
ボーナスといっても、クレジットでお金と同じように証拠金に組み入れて利用することができるものであり、ボーナスを貰ったからといって、そのまま出金することはできません。
ただ、1万円入金すれば業者によっては倍の2万円になって(証拠金が増えて)取引できるわけですから、これはかなりお得な利用法になるのです。
また取引ごとにポイントがつくといった業者もあり、国内では厳しく設定されている「景表法」のおかげで実現できないプロモーションを海外口座ならばしっかり享受できる点は見逃すことができません。
3.無料のコンテストに現金の賞金が得られる業者も
海外FX業者では「XM」のように月間で20000ドル程度を賞金とした「無料コンテスト」を開催しているところもありますので、腕に覚えがあれば全く資金がなくてもFXで賞金を稼ぐことができます。
こうした賞金はクレジットとして取引ができるのではなく、現金として出金可能ですから、一文無しでも自分の才覚次第でFXで利益を上げていける可能性があるのです。
ただ、実際にやってみますと世界中のトレーダーが登場するわけですから、上位に入るのは至難の業で、あらためて世界の市場で戦うことの難しさを感じることになります。
4.MT4が本格的に使いこなせる
国内でもMT4を導入しているFX業者がありますが、その一方で、ここ2年ではマネックス証券やYJFX!のように利用を早々とやめてしまった業者もあります。
これはMT4自体の問題ではなく、国内におけるEAの取り扱いに様々な問題があるからなのです。
国内の金融庁はEAを有償で販売するには「投資助言業」の資格を保有することが必須としており、それ以外の有償販売は違法との見解を示しています。
このことから、自動売買に関して国内市場ではまったく盛り上がらず、導入した業者も単にプラットフォームとして投入しただけで、効果的なプロモーションができないままになっています。
しかし海外のFX業者では、個人が作ったようなEAでも有償で供給するようになっていますし、無償のソフトも多く手に入れられることから、国内で利用するよりはるかに情報と新しいアイテムを利用しやすくなっているのです。
このあたりの事情は、あまり国内では多く語られていませんが、実は業者の運用面でかなりの差が出始めていることがわかります。
5.海外には個人投資家のコピートレードを実現している業者も
「ミラートレード」というのは日本でもかなり流行った仕組みで、システムトレードの戦略を選択して自動売買するのが最大のメリットとなっています。
海外市場では、もはやこうしたシストレに依存するのではなく、特定の優れたトレーダーの売買をそのままコピーして利益を出し、その一部を謝礼として支払うといった猛烈なトレード法も人気になっています。
文字通り人の売買をコピーするので「コピートレード」と呼ばれるこうした方法は、国内では一部の業者が似たようなものを提供しようとしましたが、「投資助言業の資格」をもつプロのトレードをコピーするしかないため、イマイチ盛り上がらず完全な企画倒れに終わっています。
このように、国内業者では絶対に提供できないようなものを海外業者を利用することで、使いこなすことができるのは大きな魅力ということが言えます。
6.同じMT4のプラットフォームでCFDの取引も可能
これもあまり語られないことですが、海外のFX業者で「MT4」を利用した売買を行う場合には「CFDの売買」もできるところが多くなっています。
たとえばXMでは金や銀、原油、日経225、S&P500など様々な商品も全く同一のプラットフォームで売買が可能になるのです。
国内ではDMMFXなどでもFXと同じプラットフォームを利用してCFD売買はできますが、いちいち切り替えて売買することが必要であり、同一の画面で取引できるところは国内には存在しない状況です。
ドル円が大幅に下落している時には、日経平均も下落するといった連動した動きになりますから、CFDが同じプラットフォーム上でリアルタイムに売買できるのはかなりの魅力となります。
これも、国内業者にはない「海外FX業者ならでは」のものといえます。
国内FXには海外FXにはない税制上の特典がある
ところで国内のFX口座利用で取引をし、利益がでた場合や損失を被った場合にはかなり税制上で優遇される特典が用意されています。
まず国内業者を通じて行うFX取引はすべて「申告分離課税」となります。
現状では、復興特別税を含めて「20.315%」の税率が適用になっていますので、FXで利益が出た場合には他の所得がいくらあっても、これだけ独立してこの税率の税金を支払えば済むことになります。
ほかの所得と合算にならないというのは、有価証券の利益が出たときの所得と同様の扱いです。
ところが海外FXを利用した場合には、この申告分離課税は適用されず、ほかのすべての所得と合算した上で税率が決まることになりますので、給与所得者の場合には税率が高まることになってしまいます。
本来どこの業者で取引をしても、FXならば同じ扱いにするべきなのですが、国内業者で取引した時のみ、その税率が優遇されることになるのです。
さらに、FXはその他のデリバティブ商品の損益との通算が許されています。この損益通算とは、たとえばCFDで500万利益がでて、FXで200万の損失がでたとしましょう。
この場合、差し引きで300万の利益に割り引くことができるというものです。対象になるのは商品先物なども利用できます。
ちなみに、株式投資では他の金融商品とは、一切損益通算は認められていませんので、国内FXだけに与えられた優遇措置となるのです。
さらに国内FXに関しては年間を通じて損失が出た時には、確定申告時にその損失額を申告しておけば「三年間繰り延べにして翌年以降の利益と損益通算」して申告することができるのです。
たとえば1年目に500万損失を出して、翌年600万の利益が出た場合には100万円だけがその年の利益にななります。逆に2年目の利益が100万しかなかった場合は、残った損益であるマイナス500万はさらに翌年に繰り延べて3年目の利益との通算が可能になっています。
国内FXの業者における取引がどうしてここまで優遇されることになったのか、その理由は全くよくわかりませんが、国内業者を使った時と同じ利益や損失が出たときに海外業者ではなんら税制上助けてもらえないというのは、海外業者での取引ではデメリットになることが考えられます。
但しこれは「どれもこれも利益が出たときの話」ですから・・儲からなければ殆ど結果は同じということになります。
このあたりの確定申告時の問題は実に細かいことがありますので、別途確定申告の項目で詳細をお伝えしますが、海外口座を利用してFXで1000万~2000万といった利益を上げる場合には、相当税金対策をよく考える必要があるということになります。
海外口座からの出金は海外送金にあたる事を忘れるべからず
海外口座で利益がでた場合や、入金証拠金を国内の金融機関の口座に戻してもらう場合には、海外からの送金ということになります。
クレジットカードなどの送金方法を利用した場合は、国内から送金した分は同じ送金方法を利用して出金が可能ですが、それを超えた分は基本的には銀行経由で海外送金をする必要があります。
これはマネーロンダリングの防止を国際的な協定で認めている為で、どこの海外FX業者を使っても同様の扱いになります。
また、国内では100万円を超える海外からの送金の着金は、すべて銀行から税務署に連絡がいくことになっています。
ですから、確定申告時にそれに絡む申告を行いませんと調査の対象になりますし、100万円以上を送金して、ただ戻しただけでも同様の疑いをかけられるので別に何も悪いことをしていなくても非常にやっかいなものになるのです。
さらに今年からは海外からの送金を受け取る場合は、マイナンバーの番号を銀行に申告することが義務付けられており、昨年までよりもはるかに細かく海外からの送金の内容が把握されようとしています。
これはたいしたことではないと思われているトレーダーの方も多いですが、実は結構面倒な状況になっているもので、決して甘くみてはいけない状況です。
ネッテラーを使用すれば、クレジットカードで入金して海外FXで儲かった分について、国内の海外送金ではなくネッテラーへの出金が可能になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。同じFXという商品であっても、国内口座と海外口座を比較すると、サービスの内容や細かいルールが「ここまで違うのか!」と感じられた方も多いと思います。
このように国内口座ならではのメリットと、海外口座にしかないメリットが混在している状況です。
賢明なトレーダーとしては、別に国内だけや海外だけに固執することはないわけですから、両方の口座を開設して、まさに「いいとこどり」をするのが最も適切な売買になると思われます。