海外FXを利用した場合、最も国内業者と異なるプロセスになるのが「海外口座から出金」をするケースです。
最近ではリアルタイム入金が海外業者において対応していますので、その便利さにすっかり国内の業者と違わないと錯覚を起こしてしまいます。
しかし、実際のところは自分の資金を海外に出して、それを国内に取り戻す作業になるわけですから、輸出系の企業で言えばまさにレパトリエーションといった、結構重要な作業になるのです。
この項目では具体的な海外からの送金コストや、節約方法についてご紹介していきたいと思います。
初回入金分は入金したルートから返却して貰う
海外FXの場合には、入金は銀行送金以外にもクレジットカード(デビッドカード)電子マネーなどの設定がされています。
ただし、世界的にマネーロンダリングを禁止させるため、銀行を使った海外送金以外はクレジットカードでも電子マネーでも入金した額と同額を同じルート経由で返金してもらうことになります。
この場合、返金コストは業者が負担してくれますのでお金はかからないことになります。
クレジットカードではほぼ「4営業日」、電子マネーは早くて送金の当日に着金することがほとんどとなります。
最初から銀行に振込みをした場合は、同じく銀行振り込みでお金が戻ってきますが、海外からの送金になるため着金を処理した銀行のコストがかかることになります。
今最も安い銀行で、手数料が2,500円かかりますが、為替に精通しておらず、積極的に業務を取り込まない銀行ですと、4,000円以上かかるところもありますので、こうしたお金をやりとりするのに適した銀行を選ぶことが必要となります。
お勧めは「三菱東京UFJ銀行」か「ソニー銀行」で、このどちらもコストは最小になります。
初回証拠金を超えた利益は銀行経由の送金
たとえば10万円入金して運よく100万円が利益となった場合には、基本的なルールとしてまず10万円は上述の当初ルート経由で返却してもらい、残りの90万は銀行経由の海外送金ということになります。
どちらも銀行経由だった場合は、100万円全額が銀行経由の海外送金になります。
この送金の場合、送り出すFX業者の方にも20ドルから50ドル程度の費用がかかりますが、日本人トレーダーの獲得を中心にしている業者は、さすがにこのコストを自社サイドで負担してくれます。ですから送り出しにはお金はかからないのが殆どです。
ただ、国内で受け取るほうの銀行の着金のコストは、投資家の自己負担となりますから、上述のようにできるだけ安いコストの銀行を利用する必要があります。
セブン銀行や楽天銀行などは業務を簡略化していることから海外送金には対応していません。また地銀や地方の信金、信用組合も不向きです。
さらに「ゆうちょ銀行」はできるにはできますが、銀行とは名ばかりで現場は郵便局のままですから、受け取りがうまくできないケースもあり、できるだけ避けたほうがいいといえます。
メガバンクの中では「三菱UFJ銀行」はもともと東銀が入っていますから、最も海外送金系には強い銀行で、次が「三井住友銀行」となります。みずほ銀行は昔から為替には強い銀行ではありませんので、ソニー銀行のほうがまだお勧めとなります。
それ以外の銀行はそもそも送金業務を他行に代行してもらったりしているケースもあり、なにかと面倒なので精通しているところを使うのがやはり安全です。
送金側のコストを利用者負担にする業者とは付き合わない
かなりレアケースではありますが、送金分の銀行オペレーションコストを利用者に負担させるような海外FX業者は付き合うのを辞めたほうがいいです。
このコストをトータルで支払うと毎回6,500円から7,000円、銀行によっては8,000円を超えることになりますから、よほど儲かってまとまった金額にならないかぎり出金もできなくなってしまいます。別にそんな業者と取引しなくても、もっと条件のいい業者はいくらでも存在します。
ネッテラーとXMデビッドカード
返金作業のなかで色々使ってみてもっともお得だと思うのが、
「ネッテラー」と「XMデビッドカード」です。
これらのカードは、利益がでて銀行経由で海外送金をする部分の資金をカードに送金してくれるものです。
XMカードの場合は円ベースではなく、ドルベースとユーロベースがありますので、為替の差損が出る可能性もありますが、たとえば105円の時に100ドル戻してもらって、110円のときにATMから出金すると日本円が増えているといったこともあり(FXをやっているのと同じ)必ずしも為替差損が出るとは限りません。
ネッテラーについては、円ベースの口座を持つことができますので為替差益の影響は受けません。
カードの発行費用はネッテラーが1,300円。XMカードが10ドルですから、これは機能面から考えてもかなり安いといえます。
どちらのカードも出金額はすぐに反映されますので、普通にコンビニからおろすこともできますし、デビットカードとしてショッピングにも利用可能です。
利益の部分について、海外送金の度に最低2,500円というのはかなりがっかりするコストですから、こうしたカードでコストセーブできるのは賢い使い方と言えます。
まとめ
このように送金部分というのは、海外FXを利用する時に最も気を使うプロセスとなります。
基本的には多額のお金が儲かってから考えればいい話ともいえますが、最初からしっかり何がお得で何が損なのかについては、よく理解をしてから使い始めるのが間違いのないやり方といえます。