和綿は生き方を見直すきっかけにもなるようです

国内ではほとんど生産されなくなった「和綿(わめん)」を守り、復活させる動きが若い人たちの間で起きています。本当の豊かさとは何か――。和綿は生き方を見直すきっかけにもなるようです。

■移住して栽培

鳥取県西部にある境港市。住宅地に囲まれた25平方メートルほどの畑のあちこちで、ピンポン球大の白い綿花がはじけている。昨年4月に関西から移住してきた島田三和子さん(33)が、地域の人から土地を借りて栽培している。

島田さんは移住前、女性下着メーカーに勤め、体のラインを補正する下着のデザインをしていた。海外の工場に大量に発注し、売れないと大量に廃棄する日々に、違和感を感じた。「私たちをすてきに見せる衣類が、安さ重視の大量生産大量消費で、大量のゴミを生み出している。これでいいのだろうか」

自らも着ていた補正下着に窮屈さを感じた。化学繊維で肌が荒れたことをきっかけに天然繊維に興味を持ち、綿の下着を自分で作りたくなった。国内で綿花を栽培している場所を探すと、かつて「伯州綿」の一大産地で、今は特産品として復活させようとしている境港市を見つけた。

「畑で育つふわふわの綿を見て、自分たちの衣類が大地から生まれるのだと感動した」。栽培からものづくりをしたいと思い、移住を決断。移住直前に立ち上げたブランド「ワンプランター」で、伯州綿を使ったコーヒーフィルター(1900円~)やベビー靴下(3200円)などを次々と商品化した。織りや縫製は地域の人に依頼。特にふんどしは、この半年間で100枚ほど売れた人気商品だ。

「機械による効率性や値段の安さばかりを求めたために、和綿が衰退していったのではないか。本当の豊かさとは何かを問うきっかけを和綿が与えてくれる」


[紹介元] 朝日新聞 経済ニュース 和綿栽培、国内復活の動き 「大地から生まれる衣類」