XMにはマイクロ口座、スタンダード口座とは別に「ECN」を完全利用した「Zero口座」というものが存在します。
これはオーストラリアのFX業者が、日本人の取引を国の定めによって完全終了したことにより、その受け皿的な口座として開発された性格が強く「NDD方式」によりゼロスプレッドもありという取引条件を実現したものとなっています。
XM Zero口座の特徴
それでは、XM Zero口座の特徴を順番に紹介していきたいと思います。
ゼロスプレッドを実現
この口座では「ECN」を使うことにより「ゼロスプレッド」からの狭いスプレッドを実現しています。
XMはカバー先のインターバンクを明かしていませんが、10社から20社程度のカバー先を設定し、それぞれのカバー先から提示される、リアルタイム価格のアルゴリズムが最適に組み合わせることによりゼロのスプレッドを実現しているものです。
この方法では、事実上マイナススプレッドも本来は出せるのですが、XMが設定しているのは最小でもゼロスプレッドということになります。
※NDD方式の「ECN」とは何か? はこちら
手数料は外だし
国内でも「ECN」を利用した業者は同様に行っていますが、インターバンク直結の仕組みにしている為、XMが通常スプレッドに上乗せしている手数料については完全に「外だし」にしています。
手数料が別途かかると聞くと損をしたような気になりますが、これは実は「外だし」の方がより透明性は高く、FX本来のあり方となっています。
またこうして外だしになった手数料は「確定申告時に経費として申請が可能」です。
スプレッドになっていますと経費にはなりませんが、手数料として独立することによってこうしたメリットも享受することができるのです。
気になる外だしの手数料ですが、米ドル/円を取引する場合、10万通貨にたいして5ドルですになります。
国内で多くのトレーダーが使われている、1万通貨単位で考えてみると50セントということになります。つまり、片道の手数料は1ドル110円だと55円程度ということになるわけです。
スキャルピングでも、1万通貨で1回あたり往復の費用となる110円以上の利益がでれば全体としてプラスに働いていることになります。
1万通貨単位ならば、1pisp動けば100円の利益ですから、5pipsから10pips銭程度の狭いスキャルピングをしても、しっかり利益が確保できることになるのです。
スプレッドにマージンが混じった取引をしかしていないと、儲かっているのか損しているのかよくわからない気がしてきますが、明らかにこちらのほうがお得です。
手数料は通貨ペアによって違う
上述したドル円の例ですと、1万通貨の取引で「往復110円」が手数料。つまりスプレッド換算ですと「1.1pips」ということになります。
この手数料は、全ての通貨ペアに適用されるわけではありません。少々分かりにくいのですが「一律」ではなく、通貨ペアのレートによって違ってくるのです。
たとえば、1万通貨の取引で、ドル円のレートが「110円」ユーロ円のレートが「120円」ポンド円のレートが「150円」としましょう。
この場合にかかる手数料は、下記の表となります。
※1万通貨での取引
米ドル円とポンド円のレートが40円違いますので、その分がそのまま手数料の差になるというわけです。つまり、手数料は「安い通貨ペア」と「高い通貨ペア」があるということになります。
たとえば、NZ/円は現在のレートが「75円付近」ですから、1万通貨の取引の場合に「往復手数料が75円」となります。pips換算ですと「0.75pips」で、ポンド円の半分の手数料で売買できるわけです。
このように、「Zero口座」は「価格の変動」に左右されることとなり、随分と手数料に差が出てくることが分かります。
効果的な運用には、細かい計算が必要になってきますので「Zero口座」は通貨ペアとの相性と、ご自身の取引スタイルとも相談しながら選択していくことが重要です。
レバレッジは最大500倍
マイクロ口座に比べますと、このZero口座の最大レバレッジは若干低くなっていて最大500倍までの設定が可能です。
スプレッドが狭い分スキャルピングなどにも適しており、利用価値の大きな口座ということが言えます。
また、このレバレッジはもっと低く設定をすることができますので、ボラティリティの高い時には安全なレバレッジに下げて売買することが可能となります。
取引通貨ペアは56通貨
XMのZero口座で取引できるのは56通貨ペアと金、シルバーになります。
USD、JPY、EURの通貨ペアのほとんどが取引可能となっており、特に日本人投資家が好んで利用する通貨ペアは、ほぼすべて網羅されていることがかなり便利な設定になっています。
ドル円などの通貨ペアはマイクロ口座やスタンダード口座でも他通貨と比較してスプレッドが狭いですが、それ以外の通貨ペアですと「Zero口座」を使った方がお得な場合が多いです。
さまざまな通貨ペアで、チャンスを見てスキャルピングを行うトレーダーにとっては、Zero口座の方が魅力的ということが言えます。
トレードツールはMT4を利用可能
Zero口座は通常の口座と同様に、MT4を利用することが可能となっています。
プラットフォームとしてもPC、MAC、iPhone、iPad、Androidなど最新のデバイスにすべて対応していますから、モバイル環境でも取引可能となります。
自動売買のためのVPSも設定可能
MT4で自動売買を行いたい方の為に「VPS」の設定が可能となっています。
月額28ドルを負担すれば、最大500倍のレバレッジの環境下で自動売買が可能です。
既存の口座利用者は追加の登録申請が必要
「マイクロ口座」や「スタンダード口座」利用者はあらためて追加の口座開設申請が必要になりますが、簡単に利用開始できます。
ただ、新たに「Zero口座」を利用する場合には、MT4をダウンロードしなおす必要があります。
これは、サーバーの設定リストが古いバージョンでは出てこない例もあり、MT4は定期的に最新のバージョンに入れ替えていくことが必要になります。
Zero口座のデメリットについて
もともと日本人投資家を強く意識して作られたのがこの口座です。
ですから、国内業者の低スプレッド取引に慣れている個人投資家にとっては、違和感なく利用できるのが大きな特徴となっていることは間違いありませんが、使い慣れてくるといくつか違和感を覚えることがあります。
入金は最低100ドルから
「マイクロ口座」ではとりあえず500円からの入金でも取引が始められます。
しかし、この口座に限っては1万円以上入金する必要があるのが大きな違いとなります。
ボーナスプログラムがないこと
ここまで、スプレッドが狭くなり、トータルコストでお得となるなら「Zero口座」が良いと思った方が多いのではないでしょうか。しかし、最大のデメリットがこれになります。
XMを利用する投資家は、自分の投入した証拠金以上に取引可能な「ボーナスプログラム」を期待しているケースが非常に多くなると思います。
ボーナスプログラムはXMの大きな魅力の一つであり、少ない資金から大きな利益を手にできるチャンスになります。
しかし、残念ながらZERO口座にはボーナスがつきません。また、取引量に応じてポイントが得られる「ロイヤリティプログラム」も該当外になっています。
XMにしてみれば、それだけコストをカットして「スプレッドを狭くすることに専念」しているとも言えるのですが、これまで当たり前のようについてきた各種ボーナスが無くなってしまうのは、残念な気分になることは事実です。
どの通貨ペアでも常時ゼロスプレッドではないこと
これは「ECN方式」のスプレッド設定タイプ全般に言えることですが、常に「ゼロスプレッド」というわけにはいかないですし、通貨ペアによっては「ECN」を使ってもそれなりのスプレッドが示現してしまうこともあります。
つまり、どの通貨ペアでも「お得」というわけにはいかない場合があるということです。
特に最近「マイクロ口座」と「スタンダード口座」のスプレッドが狭くなり、ドル円でも変動とは言いながら「最小1pips」を提供していますから、Zero口座との差が縮小していることも気になります。
たとえば、マイクロ口座でドル円1pipsのスプレッドで売買できれば、ZERO口座で仮に「ゼロスプレッド」だったとしても、マイクロ口座の方がお得になります。
つまり、XMの魅力の一つである、ボーナスに重点をおき「マイクロ口座」や「スタンダード口座」を利用して888倍のレバレッジを存分に活用したい。という選択をするのも一つの活用法と言えます。
ボーナスを気にしながら、両タイプの口座を使ってみるのがお得
以上のように「Zero口座」はこれまでの口座とはかなり異なる部分に特化したサービスとなります。
冒頭でもお話したように、XMは口に出して言いませんが、日本人をターゲットにしたプロモーションで人気があった会社が、日本人向け対応を終了したことから、その受け皿として似たようなスペックのサービスを登場させたのが背景にはあるかと思われます。
つまり、この口座は「最初から日本人を強く意識して」そのスペックが設定させているのが特徴です。ですから国内業者からこの口座に乗り換えてきても、違和感は少ないといえます。
とくに国内業者で「最狭スプレッド」での取引に慣れているトレーダーにとっては、他2つの口座は「かなりスプレッドが広い」という印象を持たれがちですから、そうした部分を払拭する為につくられたのが、この口座であると理解するとよくわかります。
ただし、ボーナスプロモーションや「888倍」というレバレッジに強い魅力を感じる投資家も多く、使用証拠金も500倍よりはかなりお得となります。
したがってマイクロ口座、及びスタンダード口座とZero口座、どちらの口座を選択するのが便利なのはよく比較してから決定するのがお勧めです。
XMは最大「8口座」まで保有することができますので、まずは試しに両方使ってみるとその違いについては、はっきりわかるようになります。
いずれにしてもユーザーに多様な選択肢を提供してくれるという点で、XMはかなり評価できる海外FX業者であるといえます。
海外業者でここまできめ細かく、しかも日本人のFX取引感性やスペックのチェックポイントを強く意識した、プログラムを提供してくれる会社は他にないのが実情です。
日本人個人投資家の多くが、海外FX業者の中でも「XM」を選択している理由はこのあたりにあるようです。ほんの数年前と比べてもXMは大きな進化を続けていることが理解できます。