1日のロンドン市場では、円売りとポンド買いが進行している

 1日のロンドン市場では、円売りとポンド買いが進行している。ドル円は103円台半ばの売りをこなしてジリ高。一時103.72レベルと7月29日以来のドル高・円安水準に上昇した。この日は円売りの面が強かった。ポンド円をはじめとしてクロス円が上伸。欧州株高などリスク動向に安心感が広がっていた。また、ファンド勢などの円売り仕掛け観測もでており、これまでの円買いポジションの巻き返しに加えて、9月の日銀決定会合に向けた思惑による円売りの動きもあるもよう。

 この日、目立ったのがポンドの動き。8月の英製造業PMIが大幅な改善となったことで、ポンドが急伸している。ポンドドルは1.3150近辺から1.3265近辺まで、ポンド円は136円台乗せから137円台前半まで一気に買われた。ユーロポンドは0.84台前半へと下値を広げている。ポンド円は7月29日以来の高値水準。ユーロポンドは8月4日以来のユーロ安・ポンド高水準。

 8月PMIは53.3と市場予想49.0を大幅に上回った。前回7月は48.3と英EU離脱の影響で50割れとなったが、今回の上昇で警戒感は一時的なものとみられているもよう。53.3は昨年10月以来の高水準。英製造業にとってはポンドが急落したことが輸出などに優位となっているようだ。

 ユーロドルは1.11台前半から半ばと、ほぼ前日並の水準に留まっている。欧州各国の製造業PMIには大きな反応はみられなかった。8月のユーロ圏製造業PMI確報値は51.7と速報値51.8から小幅の下方改定。同ドイツ確報値は53.6と速報値から変わらず。

 あすの米雇用統計を控えて、このあとのNY市場では新規失業保険申請件数、ISM製造業景気指数、建設支出などの米指標が発表される。また、メスター・クリーブランド連銀総裁の講演が予定されている。為替市場は動意付いてきており、イベントへの反応も大きくなる可能性があろう。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明