EU離脱の影響を受け「利下げ」となるか~英中銀金融政策会合(MPC)

 国民投票によるEU離脱(ブレグジット)決定の影響を受けて、英国では景気支援のための追加緩和への期待が広がっています。    もっとも、ブレグジット直後の混乱は収束しており、今回のタイミングで絶対に緩和に動かなければいけないという状況でもなく、市場の見方は相当分かれています。    市場ではブレグジット直後は先行き不透明感からポンドからの資金流出が目立っていました。しかし、もともと残留派だったメイ新首相が就任し、落ち着いた離脱交渉への期待が広がったこともあり、行き過ぎた先行き不透明感が一服しました。  直近の英国の重要視表を見ても、19日に発表された英消費者物価指数(CPI・6月)の前年比、これは英国のインフレターゲットの対象として注目される数字ですが、予想・前回値をともに上回る結果となりました(とはいえインフレたーげんとには届いていませんが)。その翌日20日に発表されたILO失業率(3月-5月平均)は、予想・前回値をともに下回る、こちらも好結果(失業率なので少ないほうが強い数字)。これらの指標動向から、ブレグジット前までの英経済の底堅さが意識されました。  これによりブレグジットの混乱さえ落ち着けば、緩和を急ぐ必要はないとの思惑につながったようです。  もっとも、22日の英製造業・非製造業PMI(購買担当者景気指数)はともに大きく下落しました。  ブレグジットによる影響をまともに受ける最初の重要指標ということもあり、先行き不透明感の弱さを再び印象付けられた形です。また、英中銀のMPC委員の中には、PMIの結果を確認したことで、直ちの景気刺激策を支持という発言まで出ている状況です。  こちらははっきりと利下げの材料に。  市場の見方は真っ二つに分かれているようです。見通しが分かれている分、決まったほうへ動きが出てくる可能性が高いです。  発表は8月4日の日本時間午後8時。なお、今回は結果と議事録公表に加え、四半期インフレ報告が同時発表され、カーニー総裁が会見を行う、いわゆるスーパーサーズデーとなります。