XMがカード会社と提携して発行していたデビッドカードである「XMカード」がいきなり利用禁止になったのとほぼ時を同じくして、海外への送金が簡単にできて出金にも使えるネッテラーのデビッドカードも国内でのサービスがいきなり終了することとなってしまいました。
こちらもよくよく調べてみると、ネッテラーがサービスを終了させたというよりは提携先のマスターカードがサービス提供を打ち切ったことが大きな理由のようで、形は微妙に異なるもののXMカードの打ち切りと同様に「国内の金融当局がカード会社にプレッシャー」をかけたことが大きな原因と見られています。
こちらはネッテラー口座に対して発行されるデビッドカードでしたが、このネッテラー口座というのはどこの国の金融当局管轄下にあるのかよくわからない仮想的な口座であるため、金融庁をはじめとする国内の金融当局が問題視し、マスターカード側に圧力をかけたことから利用ができなくなってしまったというわけです。
XMではこのタイミングでネッテラーのメリットが何もなくなったことから入出金のサービス自体も削除していしまい、いまや入金の手法はクレジッドカードか現金送金しかなくなってしまったのが実情です。
当面お勧めの入出金方法は相当限られる状況に
直近のXMの取引サイトで出金をするを選択しますと、下記のように「3つ」しか表示されなくなってしまいました。
クレジットカードを利用して入金するか直接海外送金でお金を送るかだけが入金方法であり、逆に出金する場合にはクレジッドカード入金分はクレジットカード経由で戻してもらい、それ以外は海外送金で戻してもらうしか方法がない状況です。
したがってお勧めの方法といってもまずは入金はクレジットカードを利用し、儲かったら入金分だけはクレカ経由で出金し、それ以外はできるだけ安い手数料の国内銀行に口座を開設して海外から送金してもらう方法以外にはベストな手法が見つからない状況です。
国内銀行は一回100万を超える送金、入金は税務当局に申告
海外FXでの脱税を薦めているわけではありませんので、誤解のないようにしていただきたいですが、国内の銀行は一回100万を超える海外への送金、また海外からの入金は悉く税務当局に報告書を月次で提出しています。
したがって自分が海外から送った自分宛の送金であっても多額な海外送金が行われますと、一定期間に必ず税務署からお伺いの紙がやってきて痛くもない腹を探られてうということが起きてしまいます。
もちろんそれに痛い部分があれば、なおさら問題になることは間違いないわけです。
こうした余分な疑いをかけられないためには、XMの口座から海外送金で出金する場合1回の送金額を100万円未満にすることが望ましいといえます。
とくに10万円以下であれば目立ちませんし、主要銀行の中でも東京三菱UFJとソニー銀行あたりは一回の海外からの送金受け入れはほぼ2600円前後のコストで引き受けてくれますので、XMカードの手数料よりもこちらのほうが10万円なら安いということになります。
したがって、受け入れ銀行でもっともコストの低いところを選択するのは重要なポイントとなります。
海外に銀行口座を開くというウルトラCも選択肢
今のところ検討中で、ベストプラクティスをご提供できる状態ではありませんが、インターネットを通じてわざわざ来店しなくても海外である日本から口座開設ができ、デビッドカードも発行してくれる口座を探す作業をはじめていますので、こちらはなにかベストな方法が見つかればぜひお知らせしたいと考えております。
海外在住者に対して口座開設がかなりゆるいのはなんといってもオフショアとして機能している国が多くなりますが、アジア圏では香港とシンガポールの銀行口座が有力となります。
ただ、こうした海外銀行口座が色々と問題があるのは、最低預け入れ額というものが決められており、それを下回りますと口座管理手数料を毎月徴収されますので、その金額を考えるとあまりコストを安くするための手法にならない可能性もあります。
またデビッドカードを採用している銀行も少なくクレジットカード利用が多くなると、カードの発行に手間取ることもあり、これまで国内で簡単にオペレーションできていたものと同じようにはいかないことには気をつける必要がありそうです。
HSBCなどの口座では不自然な動きをしますといきなり口座凍結になることもあり、散々努力した挙句が何の足しにもならないということもありえますので、海外口座を開設する話はそう甘くはありません。
また米国でも口座開設ができる銀行がありますが、米国内に資金を持ち込むのはさらに厄介ですし、なにより米国の市民は海外のFX業者で取引をすることを認められていませんので、FXの資金のやりとりには最も向いていない口座になってしまう点にも注意が必要です。
今のところとっておきの方法はないのが現状
このようにネッテラーカードが使えなくなってしまい、XMカードも利用終了となった現状では、入金はクレジットカードを利用するとしても、すばらしくいい出金方法があるわけではありません。
とくにネッテラーカードの機能を自ら海外の口座を開設して同等の内容を実現しようと思いますとかなり難しいものになってしまいます。
あくまで海外送金という出金のコストといかに抑えるかが最大のポイントになりそうです。