市場が注目していた21時半の米雇用統計(8月)は、ここ2ヵ月相当強めに出ていた非農業部門雇用者数、(NFP)が、事前予想の+18.0万人を下回る+15.1万人にとどまった。また0.1%の改善が見込まれていた失業率が4.9%と前回と同水準。平均時給が前月比+0.1%と予想、前回よりも低水準にとどまるなど、軒並み厳しい数字となった。
この結果を受けて、市場では9月の利上げ期待が後退した。発表前まで3割を超えていた金利面での利上げ織り込みは、2割程度まで急落。ドルはいったんほぼ全面安となった。
しかし、ドル売りの動きは限定的なものにとどまり、すぐに値を戻す展開に。年内の利上げ期待が大勢派にとどまったことや、月曜日が休場となるNY勢がドル売りポジションを維持することを嫌い、調整の動きを強めたことなどが、ドル高円安の要因となった。
ドル円は103円40銭近辺で雇用統計を迎えた後、102円80銭近辺まで値を落としたものの、その後発表前の水準を大きく超えて上昇。一時104円30銭台まで上値を伸ばした。米株、欧州株が軒並み上昇し、リスク選好での円売りが出たことも、ドル円を支える結果となった。
ロングウィークエンド前で参加者が減ったNY午後は高値から調整の動きがやや優勢となったが、104円割れ程度までの戻しにとどまるなど、ドル高円安基調が継続して、週の取引を終えている。
みんかぶ「KlugFX」山岡和雅
[紹介元] 為替市場レビュー | Klug クルーク 【ロンドン市場】米雇用統計控えて模様眺めに