海外FXというとハイレバレッジ、多額のボーナスの付与が大きな魅力となってきており、それが半ば当たり前のように考えられてきました。
しかし、実は欧州圏では日本と同様に厳しいレバレッジ規制やボーナスインセンティブ規制が実施されることとなり、その魅力がかなり半減しようとしています。
ESMAのレバ規制がいよいよ7月末からスタート
国内では2018年の始めから、金融庁が店頭FX業者のレバだけ10倍にするのか?しないのか?と騒ぎが起きました。
実は海外ではESMA・欧州証券市場監督局がFX・CFD商品の「レバレッジを最大30倍」にすることを決定済みで、さらに詳細条件を公表し、この7月末から実施することが明確となりました。
詳細は上記の表のとおりで、マイナー通貨ペアの場合にはさらに上限が20倍に制限されることになってしまったというわけです。
「なんだ、これでは国内で投資しているのと殆ど変わらないではないか」と思われる方も多いと思いますが、まさにその通りで、消費者保護が目的というのはどこかの国の金融庁でも聞いたことのあるフレーズとなっています。
その他の禁止事項にはボーナス提供禁止も含まれる
ESMAが策定した規制は必ずしもレバレッジ制限だけに留まりません。その他の禁止事項は以下の通りとなっています。
1.バイナリーオプションをEU経済圏において全面禁止(仮想通貨CFDは含まず)
2.ロスカットが発生する必要マージン率の統一
3.マイナス残高保護の義務化
4.インセンティブトレードの禁止(ボーナスやリベート含む)
5.顧客の損失レベルをリスク報告書に追加
まず目を引きますのは「バイナリーオプションが完全に禁止」になったことです。
これはフランスなどでキプロスのBO業者が大暴れして、支払い拒否が横行したりしたことが結果的に尾を引くことになっているようで、今回欧州圏ではBOは完全に禁止となってしまいました。
また「強制ロスカット」がかかるレベルも証拠金維持率50%に統一化されるようです。さらにマイナス残高保護の義務化は簡単に言えば「ゼロカットシステム」で追証なしとすることが正式に義務化されたということです。
厳しいのはインセンティブトレードがすべて禁止されたことで、ボーナスはもはやEU圏では付与されなくなってしまったというわけです。
すでにIron FXやXMの欧州対応口座はこのレバに移行だが
こうしたESMAの規制に対応して「Iron FX」や欧州口座の「XM」は7月30日の週の取引からこのレバに移行する旨を顧客に伝えはじめています。
ただ、XMのセーシェルの口座に移行した既存顧客と新規顧客はこの対象には入りません。
昨年突然「セーシェルの口座への移行をXMから打診された」のは、こうした理由があったからかということが、今更ながらに理解できることとなりました。
ネット上ではなぜキプロスからセーシェルにXMが移行したのかといった疑問の声も聴かれましたし「セーシェルのような国を本拠地にして大丈夫か」という不安の声も上がっていたわけです。
しかし、既存の欧州対応口座ではレバが下がり、しかもボーナスのインセンティブが一切付与されなくなることから、あえてエンティティを「日本人投資家の為に分けた」というのが真相のようです。
足元でもボーナスを定常的に支給している業者の数は少ないわけですが、こうなると「XMのセーシェル口座」「FBS」「LandFX」以外の業者はほとんど欧州圏でのビジネス口座が利用されていることから、レバレッジは下落、ボーナスは支給されなくなることとなりそうです。
しかし「FBS」などは日本円の口座が開設できないなどデメリットも多い存在ですから、ハイレバレッジでボーナスが支給される口座は事実上「XMのセーシェル口座」だけになりつつあることがわかります。
今後海外FXのハイレバ口座はXMの独壇場か
こうしてみてきますと、もはや最大888倍というレバレッジが適用になり、しかもボーナスインセンティブがコンスタントに付与されるのは海外FXといえどもXMを中心にほんの数社しか残らない状況となってきてしまっています。
これまでの海外FXのイメージと実態が、大きく変わろうとしていることがご理解いただけるのではないでしょうか。
XMは日本人個人投資家が海外FXの何にもっとも魅力を感じているかについて実によく理解しており、それを維持するためにあえて、別の口座が開設できる国にエンティティまで設置しているわけです。
これは、どれだけ日本人個人投資家の獲得に力を入れているのかが非常によく理解できます。世界のFX人口はアクティブユーザー数でほぼ200万人から300万人程度とみられていますが、そのうちの実に50%以上が日本人投資家と言われております。
つまり、FX業者にとっては日本人投資家がいかに安全に、満足して取引できるかが非常に重要な要素になってきている状況です。
したがって日本人に対してどのようなサービスと取引条件を提供できるかという視点で、海外業者を選定することはきわめて重要になってきます。