アベノミクスは選挙の争点とはなり得ない!

 NHKのニュースを聞いていると、今度の参議院選はアベノミクスの是非が選挙の争点になるなんて言っていますが…どうも最近のNHKの報道ぶりはおかしい!  というのも、「アベノミクスを前進させるか、後退させるか」などとむきになっているのは安倍総理だけだからです。  それに、そもそも、このブログを毎日ご覧頂いているような向学心の強い方は別として、一般の人にとっては、アベノミクスを続けるべきかどうかなんて聞かれても、なんのこっちゃいな、と。  はっきり言って、一般の人には意味が分からないのです。  2%の物価目標って、なに?  マネタリベースって、なに?  予想インフレ率って、なに?  日銀はなんのために国債を購入しているの?  何故金利がマイナスなんてことになっている?  まるっきし分からない。  それらの問いに答えることができないのに、どうしてアベノミクスの是非を判断することができるでしょう!?  違いますか? 安倍総理は、有効求人倍率がバブル期並みの水準に近づき、しかも全ての都道府県で1を超えたことをアベノミクスの成果として吹聴していますが、しかし、アベノミクスの核心は、日本経済をデフレから脱却させること、つまり物価が毎年2%程度以上上昇するような状態を作り上げることにあったのです。  だからこそ、安倍総理は、日銀がじゃんじゃん国債を買い上げてマネーを放出すればいいと言っていたのです。  しかし、その観点でアベノミクスの成果を判断するならば、物価上昇率は再び伸び率がゼロ前後で推移しているのですから、元の木阿弥になってしまったと言っていいでしょう。  つまり、成果ゼロ!  但し、繰り返しになりますが、そうした判断を一般の選挙民に求めるのは無理なのです。  さらに言うと、アベノミクスの主要部分であるリフレ政策に関しては、野党のなかにも支持する人が相当数いたのです。民主党のなかにもいましたし、みんなの党も声高にそうすべきだと叫んでいました。  もう一つおまけに言うと、安倍政権を支持する人でも、だからといってリフレ政策は支持できないという人や、逆に、野党の支持者であっても、リフレ政策は継続すべしという人だっているでしょうから、どうしてアベノミクスが争点になり得るのか、と。  恐らく、安倍総理はアベノミクスを争点とし、国民から日本経済の状況がよくなったと褒めてもらうことを期待しているのでしょうが、都合の悪いことはすっかりと忘れてしまうという特技を持っているとしか思えません。  私は、アベノミクスを争点と考えるのではなく、自分が約束したことをいとも容易く撤回するような人がリーダーでいていいのかが、争点になると思うのです。 以上

[紹介元] 小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! | Klug クルーク アベノミクスは選挙の争点とはなり得ない!