きょうのNY為替市場はドル買いが強まっており、ドル円は103円台まで上昇

 きょうのNY為替市場はドル買いが強まっており、ドル円は103円台まで上昇。ロンドン時間にフィッシャーFRB副議長のインタビューが伝わっていたが、市場は9月利上げに確信をもてない状況が続いている。フィッシャー副議長は行動は指標次第と言及していたが、金曜日に発表される米雇用統計次第ということなのであろう。米国債利回りはインタビューをきっかけに上げ幅を縮小し、政策金利に敏感な2年債利回りは下げに転じていた。CMEのFEDウォッチでも、9月利上げの確率は24%に留まっている。前日は20%

 ただ、副議長のインタビュー通過後にドルは買い戻しが強まった。そのような中、ドル円はファンド勢からのショートカバーが強まっている。米雇用統計次第では一気に9月利上げ期待が高まる可能性がある。特にドル円はファンド勢や投機筋もショートポジションを積み上げてきただけに、現状は9月利上げの期待は高まっていなくても、米雇用統計前にポジションを調整せざるを得ないのかもしれない。ドル円の上昇を受けて、ユーロ円やポンド円といったクロス円も上昇。

 一方、ユーロドルは売りが優勢。一時1.1130近辺まで下落した。100日線や21日線を完全に下放れる展開が見られており下値模索の雰囲気が強まっている。目先の下値ターゲットとしては、200日線が控える1.1115付近を完全に意識する動き。

 ちなみに、その米雇用統計だが、9月第1週に発表される8月分に関して、過去5年の非農業部門雇用者数(NFP)の速報段階での結果を確認すると、いずれも予想を下回っているというアノマリーが成立している。

 NFPの伸びは前回、前々回と強い内容だったこともあり、今回の予想は18万人と基準の20万人を下回る水準がコンセンサスとなっている。過去5年間のアノマリー通りに予想を下回り、15万を下回る結果であれば、9月利上げへの期待は遠のくのかもしれない。

過去5年間の8月分NFPの速報値と予想
2015年 17.3万人(予想 21.7万人)
2014年 14.2万人(予想 23.0万人)
2013年 16.9万人(予想 18.0万人)
2012年  9.6万人(予想 13.0万人)
2011年  0万人(予想  6.8万人)

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美