多様な品ぞろえとサービスで、地方都市の顔だった百貨店が次々と姿を消している

多様な品ぞろえとサービスで、地方都市の顔だった百貨店が次々と姿を消している。30日も千葉と北海道の2店が閉店。ショッピングモールなどの台頭や人口減少が背景で、地方店舗の立て直しに悩む大手は、都心を重視する戦略にかじを切っている。

30日に最終営業日を迎えた千葉県柏市のそごう柏店では、午前10時の開店前に約500人の列ができ、ドアが開くと買い物客がなだれ込んだ。店内ではセール品が並ぶワゴンに人だかりができた。そごう・西武によると、閉店直前の9月の売上高は前年同月の約3倍に膨らんだ。

同店はJR柏駅東口の市街地再開発事業の中核店舗として1973年10月に開業。最上階の14階には回転展望レストランが入るランドマークだった。駅の西口に約1カ月遅れでオープンした高島屋柏店とともに地域経済を牽引(けんいん)してきた。

だが、近年は周辺のショッピングセンターなどに押されて客足が遠のいた。ピークの91年2月期に590億円あったそごう柏店の売上高は、2016年2月期は115億円まで減り、閉店せざるを得なくなった。同市内に住む古谷宏さん(73)は「駅前が再開発されてデパートができ、街が発展した。閉店は寂しいし、残念だ」と話した。

北海道旭川市でも同日、西武旭川店が41年の歴史に幕を閉じた。最終日のセールは「50%オフ」の値札が並び、商品が飛ぶように売れた。同店を利用してきた主婦の志村友美さん(34)は「ここにしかない子供服ブランドの店がなくなるのは困る」と惜しんだ。

JR旭川駅前に立地し、09年…


[紹介元] 朝日新聞 経済ニュース 「地方都市の顔」百貨店が次々閉店 大手は都心重視に