【NY市場】前日から雰囲気は変わらず、イエレン講演待ち

 きょうのNY為替市場は前日までの雰囲気が続いており、膠着した相場展開となっている。ドル円は概ね100.30から100.60の狭い範囲で振幅。朝方発表になった7月の米耐久財受注が予想を上回る強い内容となったことで買いが強まり、一時100.60近辺まで上昇した。しかし、それ以上の買いの動きは続かなかった。

 米耐久財受注は心強い内容ではあった。第2四半期の米GDPは速報値の段階で、企業の設備投資や在庫投資の減少が成長の足かせになっていたが、きょうの米耐久財受注は第3四半期の高成長を期待させる内容ではある。ただし、資本財のコア出荷がマイナスとなっており、受注が出荷に結びつくか確認する必要はあろう。

 ただ、市場の反応は鈍い。完全に明日のイエレンFRB議長の講演待ちといった状況だ。イエレンFRB議長は年内の利上げの可能性は従来通り指摘するものの、9月利上げについては何らかのヒントを示すかが明日の焦点だ。きょうもFOMCボードメンバーのタカ派な発言が伝わっていたが、議長は年内利上げの可能性は従来どおり言及するものの、9月については具体的なヒントは出さないとの見方は根強い。しかし、タカ派なFOMCボードメンバーの発言が相次いでおり、リスクは意識しているようだ。

 ユーロドルは買戻しが入り、一時1.13台を試す動きも見られたが、1.13台を回復することなく上値を抑えられている状況。しかし、前日安値の1.1250水準は維持しており、底堅さは堅持している。きょうは対ポンドでの上昇がユーロをサポートしたようだ。

 そのポンドだが、きょうは売り優勢で対クロスでも売りに押されていた。元々、ポンドに強気な見方は少なく、前日までの上昇はイエレン議長の講演を前にした調整と見られていた。議長の講演を明日に控え、調整も一段落したのかもしれない。ポンドドルは一時1.3170近辺まで下落。ポンド円も132円台半ばまで下落。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美

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