米早期利上げ観測は後退したが、ユーロ圏の金利先安観は消えなかった

© Reuters.  ユーロ週間見通し:伸び悩みか、日銀の金融政策を注視する展開 © Reuters. ユーロ週間見通し:伸び悩みか、日銀の金融政策を注視する展開

■弱含み、ユーロ圏の金利先安観残る

先週のユーロ・ドルは弱含み。
米早期利上げ観測は後退したが、ユーロ圏の金利先安観は消えなかった。
また、英国は2017年初頭にも欧州連合(EU)から離脱する意思を正式に伝えるとの見方が広がったともユーロ売りにつながった。
取引レンジ:1.1150ドル-1.1284ドル。

■弱含みか、米年内利上げ実施への期待持続

今週のユーロ・ドルは弱含みか。
米連邦準備制度理事会(FRB)は20-21日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の維持を決定する見通し。
一時的にはユーロ高・ドル安に振れる可能性があるが、米12月利上げ観測は後退しないとの見方が多く、ユーロ圏の金利先安観があることから、ユーロ売り・米ドル買いが徐々に強まりそうだ。
また、ユーロ圏の経済指標が低調ならユーロ売りが強まる可能性が高い。

予想レンジ:1.1000ドル-1.1250ドル

■軟調推移、米ドル安・円高の相場展開の影響受ける

先週のユーロ・円は弱含み。
原油安や米早期利上げ観測の後退を意識して、リスク選好的なドル買い・円売りが縮小したことが要因。
ユーロ・ドルの取引でもユーロ売りが優勢となっており、この影響でユーロは一時114円を下回った。
取引レンジ:113円94銭-116円09銭。

■伸び悩みか、日銀の金融政策を注視する展開

今週のユーロ・円は伸び悩みか。
日銀は20-21日開催の金融政策決定会合でマイナス金利拡大に踏み切る公算。
金融機関の業績悪化などネガティブな影響が想定され、ドル・円の下落に連動してユーロ・円の連れ安が予想される。
ユーロ圏経済指標で域内経済の弱さが示されればユーロ売りに振れる見通し。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・23日:9月製造業PMI(予想:51.5、8月:51.7)
・23日:9月サービス業PMI(予想:52.8、8月:52.8)

予想レンジ:113円00銭-116円00銭