ドル103円台に上昇、米早期利上げ観測くすぶる=NY市場

[ニューヨーク 30日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測がくすぶる中で、ドルが対円で103円台に上昇。一時1カ月ぶりの高値を付けた。

主要6通貨に対するドル指数.DXYも3週間ぶりの高値となる場面があった。

ドル/円JPY=は終盤が1.1%高の103.01円で、一時は7月29日以来の高値となる103.13円まで買われた。

最近の円高を懸念する日本政府からの発言も円を押し下げた。菅義偉官房長官はロイター・ニュースメーカーでの講演で、経済成長に打撃を与える好ましくない円高には「適切に」対応すると述べた。

米利上げについては、大方の投資家やエコノミストは依然として年内は12月に1回実施される公算が大きいと見込む。ただ、前週末のイエレンFRB議長とフィッシャーFRB副議長のワイオミング州ジャクソンホールにおける講演で、9月利上げの可能性が従来よりも高まったとみられている。

TDセキュリティーズのFX戦略北米責任者マーク・マコーミック氏は「ジャクソンホールでのイエレン氏の口調はややタカ派的で、フィッシャー氏の発言がこれを補強する形になった」と説明した。

こうした中で9月2日に発表される8月米雇用統計が、利上げ時期を探る重要な手掛かりとして関心を集めている。

マコーミック氏は「市場は(雇用統計などの)今後発表される指標にあらためて注目しており、それが年後半のFRBの政策の行方を考え直す上で役立つと思う」と述べた。


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