期待の剥落相場<ポケモンGOと黒田日銀>

週明けからの任天堂の株価下落、昨日海外市場からの円高進行は ともに過剰な期待が調整された格好。 任天堂についてはポケモンGOの世界的なブームから時価総額が一時倍増。 小さい会社ならばともかく、 2兆円規模の時価総額が、2兆円以上上昇し、4兆を超えるという状況は かなり異例な展開となっていた。 しかし、先週金曜日になって任天堂側から ポケモンGOの世界的な成功は業績に大きく影響しないと発表。 それはその通りで、 今回のポケモンGO。 任天堂のゲームという認識が広がっているが、 権利は株式会社ポケモンで、任天堂は32%の株を持つ関連会社であるものの 連結子会社ですらない。 開発と配信はNiantic。こちらの株価も13%有しているが 配当収益などを考慮しても 2兆円の株価上昇は行き過ぎである。 任天堂の発表を受けて冷静になった市場は (こうした状況自体は別に隠されていたわけではなく、当初からわかっていたこと) 期待感の行き過ぎを調整するかのように大きく任天堂株売りに回っている。 一方でもう一つの過剰期待を受けていたのが 今週末の日銀金融政策決定会合。 直近まで8割程度が何らかの追加緩和するという見通しが報じられる状況。 確かに、日銀が緩和に踏み切ってもおかしくはないが、 秋口の政府の経済対策発表と時期を合わせるためにも 今回はカードを温存する可能性は十分ある。 しかし、市場の期待感が強く一時は円安が大きく進行。 一部ではヘリコプターマネーの期待まであった模様(現行法の下では困難)で その分の期待剥落での調整の円買いが ドル円を104円台に落とすという流れに。 今週は後半にかけて米FOMC、GDP、日銀会合、豪CPIなど重要指標が目白押し。 その前にいったん市場が冷静になったという印象。 ここからは、各材料の結果次第。 特に見通しが分かれる日銀の動向に要注目。

[紹介元] ダックビル為替研究所 | Klug クルーク 期待の剥落相場<ポケモンGOと黒田日銀>